第24話:博多女優、夜の逃亡 ―福岡・中洲に消えた女―
ご覧いただき、ありがとうございます!
今回の舞台は九州・福岡、夜の博多――。
芸能界の闇と、過去の暴力。
そして、ひとりの女優を救うため、
キムチ探偵・朴凛奈が中洲の夜を駆け抜けます。
今回は少しだけシリアス寄りの事件。
けれど、最後にはきっと、ほっとする結末をお届けできれば――そんな思いで書きました。
・夜の博多、中洲のネオン
・元舞台女優とスキャンダル
・暴力からの解放と再生
・屋台の明太子とラーメン
少しでも、旅気分でお楽しみいただければ幸いです!
それでは、どうぞ――
夜の博多へ、ようこそ。
■Scene 1:博多への招待状
「凛奈さん、博多へ来ていただけませんか?」
福岡の芸能関係者から直接届いた依頼だった。
依頼人は、大手芸能事務所『藍堂プロ』のマネージャー。
「所属している女優・**柚木莉佐**が、昨日から連絡が取れないんです。
今、中洲のホテルに泊まっていたはずなのに、部屋には“誰にも探さないで”という置き手紙が残されていました」
凛奈はすぐに九州新幹線に飛び乗り、博多駅へ降り立った。
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■Scene 2:夜の博多、中洲の闇へ
夜の中洲。ネオンと提灯がきらめく繁華街の路地裏を、凛奈は歩いた。
「女優がこの街で突然姿を消す……偶然じゃない」
莉佐は30代前半。元は舞台出身で、今や韓国でもCMに出るほどの人気。
だが――実は、あるスキャンダルを週刊誌が追っていたという。
「元恋人が彼女に執着してた……?」
凛奈は、ホテルの部屋に残された香水の瓶に手を伸ばした。
すっと一口――キムチを食べる。
次の瞬間、視界が歪む。
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■Scene 3:香りの記憶、愛と暴力の過去
キムチの力が見せたのは、莉佐が密かに誰かと電話していた場面。
《……私のせいじゃない。あの人が……。やめて……お願い……!》
そこにあったのは、過去の暴力。
莉佐は、元恋人の暴力から逃れ、芸能界へ活路を見出していたのだ。
だが、元恋人は今も福岡にいる。そして――
「莉佐を連れ戻そうとしてる……?」
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■Scene 4:福岡県警、そして旧知の人物
福岡県警の捜査員・**志賀正人**は、凛奈の存在を知っていた。
「韓国の探偵が、日本の事件を調べに来るとはな」
「私は“日本と韓国の架け橋”でもあるから」
志賀は一枚の映像を見せる。
中洲川端駅近くの防犯カメラに、フードを被った莉佐と見られる女性の姿。
だがその後、記録はぷつりと切れる。
「この後、彼女が向かったのは――」
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■Scene 5:舞台の影に隠された真実
凛奈は、莉佐が過去に出演した小劇団の関係者を訪ねる。
そこには、莉佐がかつて信頼していた演出家・**水科圭一**がいた。
「莉佐は“自分が出た舞台を、再び演じたい”と言ってた。
でも……スポンサーがそれを止めたんだ。スキャンダルが出た直後だったから」
「そのスポンサーって……」
「元恋人さ。今や投資家として、彼女の周りを支配してる」
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■Scene 6:凛奈、博多駅地下での対決
凛奈は、博多駅地下街で莉佐を発見する。
「柚木さん!」
「どうして……どうして、あなたがここに……?」
莉佐の腕には傷。
その手を掴もうとした瞬間、男が現れた。
「もう、逃がさないよ莉佐……僕の元に戻ればいい」
元恋人は、強引に莉佐を連れ去ろうとするが――
凛奈は、小瓶に詰めた特製の博多辛キムチを口に含み、過去の真実を突きつける。
「彼女を縛ってたのは、愛じゃない。あなたの支配欲と、恐怖心よ」
その証拠映像は、莉佐のスマホにすべて残されていた。
志賀刑事たちの手で、男はその場で拘束された。
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エピローグ:夜の明太子と、未来
事件後、莉佐は凛奈にだけそっと礼を言った。
「ありがとう。あなたのそのキムチの力……すごいね」
「私じゃなくて、キムチがね」
2人は博多駅近くの屋台で明太子ととんこつラーメンを食べながら夜を締めくくった。
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