第22話:美人アナと消えた妹 ―越前海岸・涙のニュース原稿―
みなさま、こんにちは。
今回の物語では、「家族」と「伝統」、そして「自分の生き方」を巡る選択をテーマに描きました。
舞台は福井県。越前海岸の美しい情景と、代々続く旧家に生まれた“美人三姉妹”の因縁。
その中にある「女子しか継げない家系の謎」が、ひとつの事件を巻き起こします。
探偵・凛奈の力はもちろん、“報道”という立場から声をあげた姉・暁美の決意が、事件に終止符を打ちます。
本作もまた、“キムチ”の香りとともに紐解かれる記憶の物語。
どうか最後まで、彼女たちの選んだ“道”を見届けてください。
■Scene 1:一本の電話 ―声の主は、暁美
「朴凛奈さんですよね……私、**暁美**と申します。福井テレビの報道部でアナウンサーをしております」
凛奈の探偵事務所に届いた、一本の日本語による丁寧な電話。
その声は落ち着いていて、でもどこか震えていた。
「実は……私の妹が、昨日から行方不明なんです」
――妹。
その名は、桜香。福井県を拠点に活動する、女子高生モデル。
そして――信恵の知人でもある長女・**火乃香**を含む「美人三姉妹」の三女であるという。
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■Scene 2:美人三姉妹と旧家の影
福井駅に降り立った凛奈は、すぐに暁美と対面した。
「ニュースでは冷静に話してるのに……お姉さんってこんなに繊細なんだ」
「妹は、前日“誰かに監視されてる気がする”と、私にだけLINEを残して消えたんです」
火乃香、暁美、桜香の三姉妹は、地元の旧家に生まれた。
その家には、**“女子しか継げない血筋”**という謎の因習があり、
長女の火乃香は芸能活動のため、表立った継承から逃れていた。
「もしかして……誰かが“次女の私”に責任を負わせたくて、妹に手を出したのかもしれない」
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■Scene 3:越前海岸と、赤いコートの少女
翌日、桜香が最後に目撃されたという越前海岸を訪れる凛奈。
海辺の岩場には、赤いコートが脱ぎ捨てられていた。
「これ……桜香の」
凛奈はキムチを取り出すと、コートに手を添えて一口食べた。
視界がぐるりと回転し、記憶が巻き戻っていく――
そこには、桜香が誰かに追われて、必死に逃げる姿があった。
相手の手には、古い書状と――“家紋の刻まれた封筒”。
「やっぱり……これは“家の呪縛”だ」
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■Scene 4:桜香がいた場所、語られた真実
追跡の結果、桜香は旧家が管理する別荘の蔵に隠されていた。
怯えながらも、無事だった桜香は、凛奈にこう語った。
「……わたし、本当はお姉ちゃん(暁美)が“本家を継ぐ”って言われてたのに、
家の人たちは“ニュースなんて下賤の仕事だ”って怒って……
代わりに私を閉じ込めて、“外の世界から切り離そう”としたの」
火乃香は駆けつけて、怒りに震える。
「いつまでも家の中で女を縛らないでよ!」
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■Scene 5:ニュース原稿に託された想い
数日後、暁美はローカルニュースの本番で、真実を語った。
「私たち三姉妹は、旧家という縛りの中に育ちました。
でも今、私は声を大にして言いたい。
誰かの未来は“家柄”じゃなく、“生き方”で決まると。
妹を救ってくれた、探偵の凛奈さんに感謝します」
スタジオの中で、それを見ていた凛奈は、ただひとりで微笑んだ。
「テレビ越しでも、ちゃんと想いって伝わるんだね」
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エピローグ:火乃香、暁美、桜香と再会
事件解決後、凛奈は火乃香、暁美、桜香の三姉妹と再会した。
「また金沢に遊びに行くね」と火乃香。
「次は私、東京でアナウンス試験受けるんです」と暁美。
「私……モデルだけじゃなく、映画にも出たいの」と桜香。
凛奈は手を振って別れた。
「みんな、ちゃんと自分の道を歩いてる。いいな」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回登場した火乃香・暁美・桜香の三姉妹は、それぞれ違った立場から「家」と「未来」に向き合っていました。
●家を捨てて芸能界へ飛び込んだ長女・火乃香
●報道の現場で“声”を届ける決意をした次女・暁美
●自分の夢を諦めかけた末に“自由”を取り戻した三女・桜香
――彼女たちの歩みは、きっと誰かの心に響くと信じています。
次回のエピソードでは、大阪、通天閣の影と大阪連続強盗事件についてです。お楽しみに!
それではまた、キムチの香りと共にお会いしましょう
そして最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
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