表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
243/254

第202話:極東の夜、ウラジオストクへの招待


■Scene1:金浦空港、風が変わる時


ソウル・金浦空港の出発ロビー。

朴凛奈は搭乗ゲート前のベンチに座り、キムチ瓶を手にしていた。


波が砕けるような唐辛子の香りが鼻をくすぐる。

次なる目的地はロシア・ウラジオストク。

地図上ではすぐ近く、でも文化も、空気も全く異なる場所。


凛奈(心の声):

「“次”って呼ばれたから。私の仕事は、香りが呼ぶ記憶を探ること――。」



■Scene2:ウラジオストク上空、初めての洋


千歳経由で到着したウラジオストクの空。

窓の向こうには**金角湾ゴールデンホーン**が広がり、港町の忙しない波音が想像できる。


入国審査を済ませると、迎えに来てくれた彼女は、

在ウラジオストク日本総領事館のスタッフ、ヤマザキ真由子。


真由子:「ようこそ。案内役ですが――事件のこと、もう聞かれました?」


凛奈は静かに首を振る。



■Scene3:ロシア風日本料理店で、初夜の乾杯


夕食は、日本人街にある**「さくら食堂」。

鮭の塩焼きや餃子に加え、ロシア配合の“辛味強めキムチ”**が振る舞われる。


真由子:「事件は“政治絡み”なので――

キムチ瓶の中身を解析された方がいいです」


凛奈は小瓶を手にし、香りを確かめながら一口。


(乳酸の濃度が高くて――“香りの記憶”をループさせるタイプの味)



■Scene4:夜の街、「呼ばれる場所」を探して


ホテルに戻る途中。街灯に浮かぶ霧の中、

帰らぬ日本人男性の像――2020年に失踪したジャーナリストの記念碑を目にする。


凛奈(心の声):

「彼は“真実を伝える”って香りを追っていたのかもしれない。

私も、似た立場――だから、呼ばれたんだな」



■Scene5:資料館と“香りの手掛かり”


翌朝、真由子に案内されてロシア沿海州歴史文化博物館へ。

ジャーナリストの最後の取材先だった場所だ。


館内の展示ケースそばで、凛奈は香りに反応する。


(これは……彼が瓶詰めしていた“酢漬けキムチ”の香り。

内部に“特定の香料”が混じってる……これは封延した記憶を呼び覚ます試みだ)



■Scene6:潜む意図と、味の意味


博物館職員によれば、ジャーナリストは取材で得た“ロシア国内の孤立した日本人村”の話を書こうとしていた。


凛奈はさくらキムチを一切れ口に含み、

香りに混ざる“バーチ木樽の古い匂い”に気づく。


(彼は……“過去が風化するのが嫌”だから、自らに高い香りをまぶしていた……記録のために)


凛奈は真由子に提案する。


「ジャーナリストが泊った宿を再訪すれば、彼が瓶に詰めた香りを見つけられます」



■Scene7:鍵となる宿の再訪


日本村の古民家宿。管理人から聞かれた。


「彼は夜、何かを瓶に詰めてはずしていたようです」


部屋に潜んでいた凛奈は、

探した香りの入ったマイ瓶片を見つける。


(この香りが、彼の“失踪が事故とされるように”匂いを操作していた証拠になる……)



■Scene8:香りで追う真実と、時としての救済


香りの分析を元に、凛奈は真由子に静かに示す。


「彼は、“自分がいなくなっても伝説に残る”よう、香りを証拠にしようとしてた。

本当に消えたのではなく、“消すための香り”を残したのです」


真由子は涙ぐむ。


真由子:「……日本側に報告しますね。彼の意図、伝えたい。

ありがとう、凛奈さん」



■Scene9:夜の港、海風と記憶


夜。金角湾を見下ろす丘で、凛奈は深呼吸した。


凛奈(心の声):

「記憶の香りは人を迷わせるけど、

消えるためではなく“真実を伝えるため”に使われるなら、その意味は失われない」


そして彼女は手帳を開く。


『ウラジオストクの風は、記憶を連れてくる。

香りに真実を託す人の、その声が、次に必要な香りを呼び寄せる』



■Scene10:飛び立つ朝と、次章への予感


翌朝。凛奈は金浦ではなく、成田行きのチケットを手にしていた。


真由子との別れは短かったが、ふたりとも静かに笑った。


真由子:「また呼ぶかも――その時は“探偵”としてでも」


凛奈は微笑み返す。



■Scene11:思い返すフレーズ


搭乗ゲートを通りながら、凛奈は最後に吐息一つ。


「“香りだけが、あの日を覚えている”

ただそれだけで、私は巡り続ける」



■Scene12:新たな章へ――キムチ香る再立


飛び立つ飛行機が静かに翼を伸ばす。


手元のキムチ瓶に描かれた故郷の文字。

その中には、まだ未完の物語が、静かに揺れていた――



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ