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特別編:ソウルの夜、研究家の顔


■Scene1:帰国、与那国の空から韓国へ


与那国空港から那覇経由で、凛奈は韓国の金浦キンポ空港に到着した。

機内で読みかけの本を閉じた時、不意に窓から差し込む夕陽が、彼女の心に余韻を残した。


凛奈(心の声):

「今日だけは、謎じゃなく、味と向き合おう」



■Scene2:ローカル番組『美味しさの科学』出演


午後。韓国南部の全州チョンジュにて収録された

人気テレビ番組『美味しさの科学』に、“キムチ研究家”として招かれた凛奈。


スタジオには各地のキムチ職人や料理研究家が並ぶ中、

一人の女性が視線を送ってきた。


女優:「……もしかして、凛奈さんよね?」


その人物は、かつての共演者――

韓国(の架空)の国民的女優の柳夏琳(ユ・ハリム)だった。



■Scene3:再会の誘い


収録後、控室でハリムが凛奈に声をかけた。


ハリム:「探偵、復帰おめでとう。番組スタッフ、みんな話してたわよ。

……今夜、久しぶりに飲みに行かない? ソウルで、いい店があるの」


凛奈は一瞬驚き、そして柔らかく微笑んだ。


凛奈:「事件がない夜なら、大歓迎よ」



■Scene4:ソウルの夜、味わう時間


夜。ハリムに連れられて訪れたのは、三清洞サムチョンドンにある

有名な韓国料理店「クンキワチプ(큰기와집)」。

格式高い韓屋スタイルの店で、プルコギ、チヂミ、チャプチェに加え、地元野菜を使った自家製キムチが並ぶ。


凛奈:「この酸味、絶妙……。乳酸菌がよく育ってる」

ハリム:「やっぱり、味で“読み解く”のね。癖になりそう」



■Scene5:静かな乾杯と、やさしい夜


マッコリを酌み交わしながら、二人は芸能界のこと、人生のこと、そして未来のことを語り合った。


ハリム:「私、実は――一度だけ、あなたに憧れたことがあるの」

凛奈:「……え?」

ハリム:「真っ直ぐで、嘘がなくて……演技してても、あなたは“本当”のまま。羨ましかった」


凛奈は照れたように笑い、グラスを持ち上げた。


凛奈:「じゃあ……今夜は、嘘のない“お疲れ様”で」


ハリム:「건배(カンベ)」



■Scene6:女優と探偵、夜を歩く


店を出る頃には、深夜近く。

ソウルの夜道を、二人は少し酔いながら歩いていた。


ハリム:「ねぇ、今日はもう探偵じゃないでしょ?」

凛奈:「うん。今日は、ただの研究家」

ハリム:「……じゃあ、泊まっていかない?」


返事はなかった。けれど――

凛奈の小さな頷きが、全てを物語っていた。



■Scene7:明け方、静かなベランダで


朝。静かなベランダで、凛奈は一杯の冷たいお茶を飲みながら、手帳を開いた。


『キムチがなくても、解くべき謎がなくても、

“心”の重なりは、こうして訪れる。

一夜が、誰かの記憶になるなら――

それもまた、私の役目なのかもしれない。』



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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