第15話:週末の来日 ―消えた日本の令嬢を追え!
ご覧いただき、ありがとうございます!
今回の舞台は、東京・表参道――
華やかな街の裏側で起きた、未成年令嬢の誘拐事件。
・密室の五つ星ホテルで消えた少女
・残された青い小瓶と謎のメモ
・韓国と繋がる国際犯罪組織・GLORYの影
・そして、異国から呼ばれた“キムチ探偵”
釜山から急行した朴凛奈が、
東京の地下に隠された“密輸ルート”と“記憶操作の闇”に挑みます。
今回は、現代東京を舞台にした
国際サスペンス&スピードミステリー。
表参道の煌めきと裏社会の影――
二つの世界を行き来しながら、
彼女の戦いはさらに激化していきます。
それでは、どうぞ――
眠らない東京の夜へ。
■Scene 1:表参道、深夜の非常ベル
東京・表参道。
週末の夜、街がまだにぎわう中、五つ星ホテル「GRAN TOKYO OMOTESANDO」で突然非常ベルが鳴り響いた。
「ホテル内VIPフロアにて、一名の未成年女性が行方不明です!」
姿を消したのは、日本財閥・御影グループの令嬢――
御影琴葉、17歳。
・最後に確認されたのは、エレベーター前の監視カメラ
・誰も出入りしていない密室フロア
・残されたのは「青い小瓶」と、「キムチ探偵を呼べ」というメモ
「……なんで私の名前が、東京の誘拐現場にあるのよ」
釜山にいた凛奈のもとに、日本警察・外事課からの依頼が届く。
⸻
■Scene 2:単身、凛奈日本へ
空港に到着した凛奈を迎えたのは、元韓国系刑事で現在は東京警視庁に勤める女性・**柴田玲香**警部補。
「朴・凛奈さんですね。現地の捜査はあなたに一任されます。……ただし、違法行動だけは控えて」
「そのあたりは……ピリ辛で押し通す主義なんで」
玲香が苦笑する。
⸻
■Scene 3:現場検証と“青い小瓶”の謎
琴葉が消えた部屋の現場検証で、凛奈は即座に違和感を抱く。
「ベッドシーツの畳み方、プロのメイドじゃない。明らかに“焦った逃走”の形跡がある」
そして謎の青い小瓶には、韓国製のラベルが残っていた。
「ナド・グループ製造:神経抑制芳香オイル」
「これ、以前GLORYが使ってた“感覚鈍麻用”のものと成分が似てる」
さらに部屋の壁の一部に、奇妙な“韓国文字の落書き”が。
「사라진다(サラジンダ)=消える」
「……この事件、日本で起きたふりをして、韓国側に逃がす算段だったのかも」
⸻
■Scene 4:潜入、ホテル地下
凛奈は夜間、GRANホテルの地下管理フロアに忍び込む。
そこには、スタッフ用の“密輸ルート”として改造されたエレベーターシャフトが存在していた。
「地下から琴葉を運び、空調用搬送車に載せて外へ……完璧な“誘拐”計画」
だが――
そのシャフトに、ひとつの落し物が残っていた。
「……これ、琴葉さんの髪飾り」
その瞬間、誰かが背後に立っていた。
「キムチ探偵。君、招かれてないだろ?」
現れたのは、GLORYの国際工作員――イ・ジュンギ。
凛奈が過去にソウルで接触した、記憶改変部門の元技術者だった。
「この事件、あんたたちGLORYが関わってるね?」
「違う。“GLORYが消される前に”、君を消したいだけさ」
銃が凛奈の額に向けられた、その瞬間――
「その子に、手ェ出したら殺すわよ」
現れたのは、柴田警部補。
元特殊捜査班の彼女は、イ・ジュンギを一発で制圧した。
⸻
■Scene 5:見つかった令嬢、そして“新たな予告”
琴葉は港区の廃倉庫で無事に保護された。
意識は混濁していたが、ジャケットのポケットには、小さな手紙があった。
「これは始まりだ。
次は、“東京の夜に消えた男たち”の話。
君が探すなら、記憶の底へどうぞ」
それは――
次なる事件、“東京連続窃盗&殺人未遂”の予告だった。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
東京編では、
凛奈がこれまで追ってきた国際組織「GLORY」の影と、
表参道・港区という東京の“表と裏”を描いてみました。
“キムチ探偵”といえど、
異国の地・東京では一人の少女。
それでも、彼女は誰かを救うために戦います。
今回の誘拐事件は「始まり」に過ぎません。
次回、「東京連続窃盗&殺人未遂」事件へ――
凛奈は、さらに深い“記憶の迷宮”に踏み込むことになります。
キムチを片手に、
次もどうぞ、お付き合いください。
それではまた、東京の夜で――。