第8話:釜山ジャーナル連続記事事件
■Scene 1:紙面に現れた“パク凛奈”の名
釜山の朝。
探偵事務所に置かれた朝刊『釜山ジャーナル』を手に取ったミンジュの絶叫が響いた。
「り、凛奈ァァ! あんた、新聞のトップに載ってる!」
「え?」
新聞の一面にはこうあった。
【独占スクープ】
「17歳の女探偵、時空を駆ける!?」
パク凛奈、探偵業の裏に“国家機密レベルの違法実験”関与か――
凛奈は一瞬、目を疑った。
だが見開きには、彼女が過去にタイムジャンプした瞬間の“赤い光”を捉えた写真、影凛奈の存在をほのめかす関係者談話、さらには祖母・夏栄の若き日の事件調書までが掲載されていた。
「これ……誰が漏らしたの……?」
⸻
■Scene 2:内部情報の流出――そして脅迫
凛奈はすぐさまシステム管理担当のパク・ユソンに連絡を取った。
「セキュリティ破られてた。先週、“外部サーバー”への不審な転送ログがあった」
「誰から?」
「IPは……“GLORY ONE社内”」
「やっぱり……GLORYか」
その夜、凛奈のスマホに非通知のメッセージが届いた。
「次は“母・梵夜”の過去を暴露する」
「止めたければ、探偵業を辞めろ」
「真実を望む者は、影に沈め」
「……これは“脅迫”じゃなく、“情報戦”」
凛奈はつぶやいた。
「今、私は“公の敵”として試されてる」
⸻
■Scene 3:マスコミが追い詰める凛奈
翌日、探偵事務所の前には報道陣と野次馬が集まっていた。
「本当に時空を超えたのか!?」
「韓国政府の監視対象って本当ですか!?」
「祖母の元・刑事記録に虚偽はないのか!?」
「ちょっと!ここはまだ“女子高生の事務所”なんですけど!」
ミンジュが応戦するが、火に油。
その最中、テレビでは“影凛奈”が別の番組に出演し、“本物の凛奈”の言動を冷笑する形で語っていた。
「“自分の意思で動く人間”は、もう時代遅れ。記憶を統合し、理性で制御されたAI的な存在こそ、人間の未来よ」
凛奈の拳が震えた。
「……ふざけるなよ。私は、“意思で動く人間”のままでいる!」
⸻
■Scene 4:祖母・夏栄の警告と覚悟
その夜、祖母・夏栄から一本の電話が入った。
「凛奈……記事に出とる“特捜調書”、あれ、30年前に“消去”したはずなんや」
「ばあちゃん……それってつまり、内部に裏切り者がいたってこと?」
「せや。たぶん、当時からGLORYと繋がっとった“刑事の誰か”や。もしかしたら……今も生きとるかもしれん」
「わかった。探す。今度こそ、ばあちゃんの過去も未来も守るために」
「凛奈……無理せんと、でも信念は持ち続けてな」
電話の向こうで、祖母は静かに泣いていた。
⸻
■Scene 5:反撃開始――情報には情報を
凛奈は釜山中に貼られた“凛奈バッシング記事”のポスターを一枚一枚剥がしながら、心の中で宣言する。
「情報で来るなら、情報で返す」
その夜、彼女は独自に収集したGLORYの記憶編集実験の証拠を匿名で複数の記者に送りつける。
同時に、SNSにてこう発信した。
「真実を操作するのは誰?
記憶は誰のもの?
この世界のピリ辛の正義を、見逃さないで。
#キムチ探偵は黙らない」
翌朝、再び新聞の見出しが変わった。
【反撃の凛奈】
「キムチ探偵」から告発文が届く!
誰が記憶を改ざんし、未来を盗もうとしているのか!?
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