1 不幸な記憶
こういう作品も書いてみたいなと思いまして。
え?ほかのタイトルはどうしたって?いや、ちゃんと書くから待っててください泣
と言うことで世界一不幸なお姫様のお話ですよたぶん
狭い箱。鉄のカプセル型の中で私は起きた。
始めてみたのは白衣を着たおじさんたち。
口々に「成功だ」と言っていた。
何もわからず、ただ首をかしげることしかできなかった私はそのまま即座に別の場所へ運ばれた。
運ばれてる最中に声が出るようになったので、私は周りの人の言葉を真似してみた。
そしたらやっぱりみんなが喜んだ。
バカみたい。人が話したぐらいで大げさな。
着いた部屋は幼児が遊ぶような部屋。
なんでこんな部屋なの。私は何歳なのよ。
この短期間で私はモノを考え、発することもできるようになってきた。
白衣の人たちはさっきから、私が成長するたび暴れまわるように喜んだ。
だから何。なんで喜んでるの?
そう聞こうとした時だった。
乱暴に扉を開けて入ってきたのは、黒いスーツに身を包んだ20半ばの好青年だ。
この人もまた私を見るなり泣き崩れた。
そして彼は私の頭を撫でながらこう言った、
「おかえりなさいませ。レインカ姫様」
それに対して私はこう答えた。答えてしまった。
「それは、誰?」
その日の出来事。周りの絶望し、落胆し、怒りの顔は私は決して忘れない。
とかなんとか当時思ってたけど結局今の生活にもなれちゃったし。
むしろ前の姫様より仕事こなすから今のが本物とか言っちゃう者も出て来ちゃったし。
「ねー、ラルはどう思う? やっぱり前の方が好きなの?」
呼びかけの先にはスーツの好青年。直立不動で扉の前にいつも立ってる。
「いえ、私はどちらの姫様も同じぐらい敬愛しております。わが身はいつでも姫様に差し出す所存です」
「相変わらずお堅いなあ。今私が食べてる西トリア産の豆より硬いわ」
「お褒めにあずかり光栄です」
「褒めてないって」
こうして気づいたら、くだらない会話と日々のお姫様業務を行う元JKがこの国には君臨していた。