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ワールドリフレイン  作者: 春ノ嶺
降伏の丘
18/37

15-4

『敵の配置は巡回型がメインだが、正門と裏門には2人ずつ、屋上にも合計6人が四方を警戒してる。ただ重火器の類は無さそうだ、増援を待ってるのか無価値と判断されたのかは知らないが。それから内部の様子な、諜報機関の施設なだけあって奥を覗ける窓は無い、まぁ移動の様子からして恐らく2個小隊。気付かれずにメインサーバーまで近付くのは不可能だから、先にそっちが接近してくれ。今どこの位置にいるんだ?』


「地下室に浸入、秘匿サーバーに繋がる通路を探してる」


『ハハハハ、今の説明に費やしたカロリーを返せ』


鮮やか、と言うより他は無かった。チーム9から監視終了と報告が入ると同時、だいたいの位置さえわかっちまえばこっちのもんだと言わんばかりにタブレット抱えながらヒナとメルは進撃を開始し、屋上の兵士が遠くを見た瞬間に建物側面への密着を成功させる。なんだお前ら目に倍率でも…付いてるわ、とか考えてるうちに体の小ささを生かし換気扇ぶっ壊して入り込み、キッチンだったわクソ、とか言いながら窓から再登場した。真っ黒い油の塊を払いながら社員食堂らしき部屋から廊下、オフィス、玄関、階段を通って地下室へ。そこでアレクセイからの事前情報通り、壁に打ち付けられたLANケーブルらしきものを辿っている最中


『え?マジでお前ら何者なの?そりゃまアレだぞ?ガキの集まりだっつったってそれなりの訓練受けてるなら若すぎるって事は無いさ?』


「変人の集まりだからって事でひとつ。…っと、通路を見つけた、中は電波が届かなそうだ、また後で」


チーム9、分隊の指揮を執るライナーと通信を切った。辿っていたケーブルは廊下の真ん中あたりで床の裏へ消えていくので、そこにメルが張り付いて、カーペットっぽい床素材の継ぎ目に指を突っ込んだ。その敷物は固定されておらず、奥には本当の床と、カード読み取り装置のついた扉


「これどうやって開けるの?」


「わかんね」


「お二人さん、カードキーの使い方くらいいい加減覚えて」


「それ言うんなら俺だってたった一人で建物爆破とかキツいんだぞ」


「C4に信管挿すくらいできるもん」


それに関してはシグもさる事ながら何かとつけて爆破指示を飛ばすラファールにも問題があるような気もするが、そこまで話が続く事はなく、さっとカードを通して扉を開けた。内部にはハシゴがかかっており、どこに繋がってるのかな、という感じで覗き込むと


「うん、SVRは予算貰ってないらしいね」


「この臭い嗅いでそれだけで済ますルカくんに脱帽」


下水の腐臭くらいでまいってたらインド旅行はできないだろうなーとか思いながら、間違いなく下水道に繋がっているだろうハシゴに足をかけた。迅速に降りて、臭いが拡散する前に扉を閉める。サーバールームはハシゴのすぐ横、機密性の高いドアが付いていて、腐臭に悩まされながらの作業は回避できそう


と思ったのだが


「あ、これ2人くらいしか入れなさそう」


「うおい、ちょっと待って」


「ルカくんそっち、さっきのLANケーブル探して」


「待ってって!おいバカSVR!」


メインで作業しなければならないメルは当然として、なんやかんや始まる前にルカは袖を引っ張られて入室。室内はトイレの個室より少し広い程度、そこにサーバーがドスンと鎮座し本当に狭い、身動きを取るのもやっとである。ドアを閉めたがるメルをヒナが引き止め、ドアノブがギチギチと音を立てる


「FE取ってから出直してきてくれませんかねぇ…!」


「この臭いの中待つとか無理だから…!」


「いけるいける、ほらシグは慣れだしてる」


「慣れたんじゃない、諦めたんだ」


「そんなすぐ諦めんなっ…!あっ……」



閉めた

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