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その後正宗達はキング総一郎の家へと向かった。
冴止が大統領からの書状を渡す。
ただそれだけであり、用事はすぐに済んでしまった。
冴止達はその後、宿泊施設へと案内されようとしたが、それを拒否した。
そして正宗達の案内により正宗達の家へと向かった。
カノットはそこまでの道のりにある建物が珍しいのかあたりをキョロキョロと見ていた。
「ふぇ~都会な建物がいっぱいっでやんすね~そんじょそこらにたらふくでやんすな~」
「へぇ」
「ほぉ」
「ふぅん」
可愛らしくキョロキョロとあたりを見渡すカノットを見て、正宗、鞘歌、薙扨は頷く。
カノットは自分を見ている三人を見てギョッとした。
「な、何でやんすか? 物珍しそうにわっちを見つめないでほしいでやんすよ」
そう言われると、正宗と鞘歌は申し訳なさそうな表情になる。
「え、あ、いや。ごめん」
「いや、その。すんまへん!」
二人は謝るが、薙扨は謝るそぶりもなく正直な感想を言う。
「いやぁ、本当にいるんすね。田舎から出てきてあたりを物珍しそうに見る人」
「え、それなんかひどくないでやんすか?」
カノットはうらましそうに薙扨を見つめる。
薙扨は悪びれたそぶりもない。
「事実じゃないっすか」
「う~言い返せないでやんす。悔しいでやんす」
カノットは肩を落とした。
薙扨はフフンとドヤ顔になった。
「まるで子供のじゃれあいだな」
「ハハハ……」
正宗は頭を押さえた。