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「同種。あんたは同種っすね」
「は? なんでやんすかいきなり」
突如っかかってきた薙扨の言うことがカノットには理解できない。
カノットは疑問符を浮かべる。
「ふふっ。いずれわかるっすよ。ぼくはすでにわかってるっすよ」
「?」
薙扨はすべてを分かったかのような顔でカノットの前から離れた。
カノットは混乱していた。
「彼女の発言はともかく置いておいて。わたしはシリエルリューオの創像機のパイロットとしてディゴットーオスの創像機のパイロットに会いに来た」
「そうか。まぁ知り合いだしとくに確認をとることもないんじゃないのか?」
そう言うと冴止はクスッと笑う。
「いやいや。まさか数人もいるとは思いもしなかったよ。確認する必要はあった。というか久しぶりに友人とも会いたかったしね」
「友人としてあってなんかがっかりしたか?」
そう言うと再び冴止はクスッと笑う。
「さっきも言ったが色男になった。その上、複数の創像機を出せると聞いた。君はスペシャルになったな」
「おれが特別だって? まぁ、そうなんだろうな」
正宗は頭に手を当てて困ったような顔をする。
冴止はそれを見て爆笑する。
そして正宗は冴止をにらむ。
「いやそうな表情だな。スペシャル」
「スペシャルって呼ぶなよ。昔みたいに名前で呼ぼうぜ」
嫌味な顔をし続けたまま正宗は冴止に言い返す。
「タイムカプセル発掘時は名字だったじゃないか」
「そりゃ、あれだ、その……久しぶりで恥ずかしかったんだよ」
正宗は顔を赤らめてそっぽを向く。
冴止は顔に手を当てフッと笑う。
「なら今は? 今も久しぶりで恥ずかしくないのか?」
「……慣れちまったからな。名前呼びが」
「……異世界の文化の違い……か」
冴止は顔に手をあてたまま再び笑った。