表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/110

7

薺の名付けが終わると阿利洒がトコトコと正宗の横に来て服を引っ張る。

その動作は兄に近寄る妹のもののようだった。


「……次は……わたしの番」

「阿利洒ちゃんすか。そういやどんな感じなんすか?」


薙扨はワクワクしながら阿利洒に問いかける。

すると阿利洒は腰に手を当て鼻息を立てる。

その珍しい光景を見て薺と正宗は少し驚く。


「……銀騎士。……かっこいい」

「へぇ~銀騎士っすか」


薙扨は気にせずに阿利洒の発言を聞く。

そして頭の中で銀騎士を思い浮かべていた。


(そう言えば、あの時の阿利洒ちゃんはちゃんと喋ってたな……)


ふとあの時のことを思い出す。


(あれも創像機がなせる技なのか?)


正宗はふと思ったが考え出すときりがないのでやめた。

別にそれならそれでどうでもいいからだ。


「銀騎士っすかぁいいっすねぇシルバーナイトっすかぁ」

「……シルバー……ナイト。……それ……ドイツ語?」


薙扨が英語で直訳した名前を言うと阿利洒が食いついてくる。

薙扨は少しうろたえる。


「は? いや、これは英語っすけど」

「……なら……ドイツ語は?」


再びグイっと近づく。

そして再びたじろぐ。


「え? あ、えと……なんしたかね?」

「……なんし……たかね」


阿利洒が薙扨の言った言葉に突っ込むと薙扨があどけた顔になる。


「は? いやまさかここで言葉にツッコミっすか……」

「ちなみにドイツ語だとズィルバーリッターだね」


そんな薙扨を差し置いて正宗がドイツ語で直訳したものを答える。

すると阿利洒は笑顔になる。


「……カッコいい。……それで……行く」

「あ、いや、それでいいんすか? なんか直訳ばっかりのロボット名になっていくっすねぇ~」


薙扨は頭をかきながら喜んでいる阿利洒を見る。

正宗も頭をかきながらそれをじっと見る。


「いいんじゃないかな。わかりやすいし」

「……そして。……かっこいい」


阿利洒は笑顔で喜んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ