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6

「と言うわけで創像機の名前を決めましょう」

「いや、まぁ、決めなきゃって思ってたけど突然だな」


阿利洒のおいしい食事を食べ、リビングで一服していると薺が突然言い出した。

ソファーに寝そべっていた薙扨は起き上がりテーブルのほうを向く。

キッチンで洗い物をしていた阿利洒は手を拭きながら歩いてくる。

鞘歌はカーペットの上で寝ている。

正宗は読んでいた本をテーブルに置く。


「で、つまりそれぞれの機体の名前だよね」

「そです。まぁ私たちで決めるわけですが……」


薺は椅子から立ち上がり椅子の周りをクルクルと歩く。

そんな薺を見て薙扨はフフンと鼻息を立てながらドヤ顔をする。


「ぼくのはバリッターで決ってるんで悩むこともないっす」

「あ~いいですねぇ~正宗さんの世界のロボットの名前でしたっけ」


うらやましそうな顔でこちらを見る薺を見て薙扨は再び鼻息を立てる。


「英雄っす」

「かっこよくてうらやましいですね~。ん~私はご先祖様から伝えられた四神がモデルですから……」


さらに椅子の周りをクルクルと歩く。

うんうんと唸りながら、何度も『違う』、『これは』、『でも』などという単語を繰り返す。

そんなときなんとなく薙扨が話し出す。


「はー四神っすか。青龍っすか。朱雀っすか。玄武っすか。白虎っすか。いいっすね~それも」

「せいりゅう、すざく、びゃっこ、げんぶ……」


薙扨のいった名前をなんとなく言い返す。

心底になしという感じだ。


「黄竜ってのもいたり」

「おうりゅう……って全部知ってますけど。ん~名前かぁ……」


正気を取り戻したような状態になった薺は椅子に座る。

今度は机を指でトントンと叩きだす。

薙扨はそれを見てイライラしている。


「四神の四獣の名前で組み合わせを考えるのも難しいものがあるような……」


隣に座っていた正宗がそう言うと薺の動きが止まる。

薙扨はそれを見てほっと一息をつく。

すると薙扨は思いついたようにポンと手を叩く。


「ん~ならゴットフィーアでいいですね。うん。かっこいいです」

「あ、ドイツ語?」


笑顔で名前を発表する薺に正宗が言う。

薺はポカンとした顔で正宗のほうを向く。


「あ、これドイツ語って言うんですか。まぁかっこいいからどうでもいいですね」


薺は気にしないで立ちか上がりその場でクルクルと回っている。


「……あんたも結局ぼくと変わりねぇっすね」

「はい?」

「ああ、自覚すらないっす。ぼくはそれを受け入れてるのに……」


薙扨は頭を押さえた。

薺は回っていた。

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