3
部屋に戻った正宗はベットの上に転がる。
「しかし別の国……シリエルリューオか……」
ふと頭に浮かぶのはこの世界に来た時に聞いた薺の言葉。
そして友人たちの顔。
「いるかもしれない……シリエルリューオに……誰かが……」
正宗はただ天井を見上げていた。
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シリエルリューオ。
緑豊かな国であり、ディゴットーオスとは違いドーム国家ではなく大きな塀で囲まれている。
文化もだいぶ違い、現代日本のような建物は少ない。
が、あくまで少ないだけでありないわけではない。
そしてその中の一つである大型の建物の中は少し騒がしかった。
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「ふふっ。今日もわたしは美しい。そうは思わないかい?」
「最高でやんす! よっ、冴止様は世界一でやんす~!」
「ふふふ……」
「何やってるんだ、お前たちは」
カッコつけている男とそれを褒めたたえる少女。
そしてそれを呆れた顔で見る女性。
そして男は大声を上げる。
「ファハハハハ! わたしは美しいのだ! それは隠すことができない!」
「その通りでやんす! わっちはそんな冴止様の相棒であるのでやんす!」
「「二人それってさらに美しく……」」
「馬鹿やってるんじゃない!」
女性は冴止達に怒鳴りつける。
それに対して二人は怒り返す。
「馬鹿とはなんだ! アホの上位語で私とカノットの美を愚弄するな!」
「ああ、わっちらの美がツバサさんを狂わせてしまったっすね……」
「なるほど。我々は罪深い……」
「貴様らはまだ馬鹿を続けるのか!」
ツバサと呼ばれた女性は冴止達を再び怒鳴りつける。
冴止達はやれやれといった顔で黙る。
ツバサはカンカンと地団駄を踏んでいる。
「もういい。大統領が読んでいるのだ!」
「何? トップがわたしを呼んでいると?」
「そうだ、創像機のパイロットであるお前達をだ」
すると冴止は髪をふぁさっとしながらポーズを決める。
「では行くとしよう。私たちの美しさを見せにな!」
「でやんす!」
「……こいつらは……本当に伝説の救世主なのか?」
ツバサは困り果てていた。