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「て言うか結局どうなるんすかこれ?」
「……他国の協力。つまりは同盟国『シリエルリューオ』に協力要請を仰ぎます」
「「シリエルリューオ?」」
正宗と薙扨は自分たちの知らない国名に首をかしげる。
すると阿利洒がしゃべり始める。
「……隣国……そして同盟国……はるか昔から……仲がいい」
「その通りですね。交易も盛んですし」
正宗と薙扨はその言葉を聞き『へぇ~』と言う。
薺は話を続ける。
「まぁ、そう言うところは父上たちがやるのでわたし達は手が出せませんがね」
「つまりは協力が得られるまでは放置か……」
「今まで通りにリアビの襲撃が考えられます」
「まぁ、そうなるっすよね~」
薙扨は椅子を前後にカタカタとさせながら両手を頭の後ろに回す。
現状に不満だということが分かる。
さっさとリアビを倒して平和を勝ち取りたいのだろう。
「さっさと終わらせたいけど、仕方がない。非現実的なことばかりでも結局は現実。アニメや漫画じゃないんだ」
「かっー! バリッダーならこんなの2話ぐらいで解決するっすよ!」
「現実は現実……うまくいかないんだ」
「あぁ~現実って言葉を聞くとつらいものを感じるっす……」
薙扨はがくんと顔をテーブルに張り付ける。
正宗はそれを見て自分もテーブルに張り付く。
「なんや、2人とも子どもやなぁ~」
「それは自分でもわかる。時折、子どもだって思うけど制御ができない」
「大人になれないんすよね~ぼく達」
「思春期やね~」
正宗と薙扨は心の制御はできない。
17という微妙な年齢は行動に歯止めをかけさせてくれない。
だからこそめちゃくちゃな行動をする。
……この二人は成長しても制御が利かなさそうではあるが……
「ま、待つしかないなら仕方なしっしょ」
「そっすね~あ~そういやおなかすいたっすね~」
「あ、じゃあご飯にしましょう」
「……今日は……わたしが……作る」
「そりゃ楽しみやな」
そう言って全員は晩御飯まで各自部屋に戻ることにした。
阿利洒は一人キッチンへ向かった。