10
食べながら肇孤と会話していると時間が過ぎていった。
そして目の前にあった料理はすべてなくなる。
「ふぅ。うまかったね」
「いやぁ、ごっそうさんやで~」
すき焼きを食べ終えた二人は手を合わせる。
そして『ごちそうさま』を終えるとトコトコと肇孤が歩いてくる。
「あぁりぃがとおぉねぇ~」
「何をありがとうや?」
「そうそう。こっちがごちそうしてもらったんだからさ」
「料理ぃを笑顔ぉでぇ食べてぇくぅれぇたぁ人ぉにはぁ~お礼ぃを言わなぁいとぉ」
敏子はにこやかに笑いながら食器などをカートに乗せる。
正宗達もそれを手伝う。
「にしてもこんなおいしいものを……いや、いくらで?」
「おぉ金なぁんてぇいいのよぉ」
「え、タダ!?」
「今ぉ回ぃだけぇだよぉ。おぉ祝いぃだかぁらぁ」
ニコッと笑う顔を見て正宗はかわいいものを見て心が温まる。
別にドキッとしたり恋が始まる感覚ではない。
ただ単にかわいいのだ。
「ま、グットスマイリーだね」
「なんやよう意味はわからんけど心に響く言葉やねぇ~」
「そうぅだねぇ。なんだぁかうれぇしいよぉ。ありぃがとぉうぅ」
どこぞのアニメの受け売りのような返答をされ正宗は少し笑う。
そして立ち上がる。
「まぁ、ごちそうありがと。そろそろ帰らしてもらうよ」
「あ、もうこんな時間かぁ~もう少しうちらの馴れ初め話したかったんやけどなぁ~」
「まぁ、大樹で仲良く遊んだ以外に特にないけど」
「いやいや、それも重要やで。後、創像機に乗ってリアビと戦った時も……」
「リアビ!?」
突然肇孤が驚きの声を上げる。
正宗と鞘歌は肇孤のほうを向く。
そして鞘歌はアッと顔を抑える。
「そういえば、肇孤ちゃんも……」
「うぅん。おぉ父さんたぁちはぁ……」
「……」
正宗は黙り込む。
(今、鞘歌は『も』と言ったな……なるほど。創像機のファンと言うのもこれが理由だったりするのかもな)
正宗はいつもの通りに勝手に理由を考え勝手に納得する。
うんうんと頷いて意味深かな顔で二人を見る。
「……あの巨大なリアビ。覚えとるよ。忘れることはあらへん」
「そぉう。あのぉリアビ……あれぇ以来ぃ目撃ぃ証言はぁなぁいらぁしいぃけどぉ」
「目撃証言のない巨大な?」
正宗は食いつく。
嫌な思い出を思い出させてしまうという考えはどこかに飛んで行った。
巨大なリアビのことが気にかかる。
何とも自分勝手な考えである。
「あの巨大なリアビは忘れられへん……小さいときドームの外へ家族と往ったときや」
「私ぃと鞘歌ちゃんのぉ家族でぇ自然のぉ中ぁでぇのぉんびりぃご飯を食べぇていぃた時だったぁ……」
二人は空を見上げる。