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通路を出た正宗はあたりをキョロキョロとする。
「ここが獣耳族のドーム……思ったより変わり映えしないな」
「なんやの? 自然たっぷりな感じ屋とおもっとった?」
「まぁ、想像が現実になることは少ないからね……」
「創像機のパイロットやのになぁ~」
アハハと笑いながら正宗と鞘歌は歩き出す。
鞘歌が正宗の手をギュっと掴み道を案内していく。
「いやぁ、なんか恋人見たいやわぁ~」
「もうすぐ結婚しちゃうんだけどね……」
「あ~そやったなぁ~」
クスクスとさやかたちは笑いながら歩き続ける。
先ほどから同じ光景が続くがそれも悪くないと二人は思っていた。
「およ。鞘歌じゃぁん」
「あ、肇孤ちゃん」
歩いていると目の前から狐耳の少女が現れる。
正宗より少し年下といったところであろうか。
正宗は頭のぴくぴく動くキツネ耳に視線が移る。
「あぁん? 鞘歌ぁ、そのぉ人はだれぇ?」
「あ、正宗君? うちのええひとやよ~」
「えぇ? いつのぉまにぃそんなぁ相手がぁ?」
「う~ん。この間かなぁ~」
鞘歌はニコニコしながら肇孤と会話している。
(な、何か独特なしゃべり方だなぁ)
正宗はアハハと笑いながら二人を見ている。
「あ、正宗君。やっぱ獣耳族訛りに慣れてへん感じやなぁ」
「け、獣耳族訛りっていったい……」
正宗は獣耳族訛りについて大きな疑問をもちはじめた。