6
「ここがドームの入り口やで」
「そういやほかのドームに行くのは初めてだな……」
獣耳族へとつながる通路に二人は来ていた。
正宗は初めて見る巨大な通路に子供のように目を光らせていた。
鞘歌はそれを見てクスクスと笑っていた。
「ほな往くで~」
「おー!」
そう言って二人は通路の中を進んでいく。
正宗はキョロキョロとあたりを見渡しながら歩く。
鞘歌もニコニコしている。
「ほら周りを見てみ。獣耳族の人らが多くなってきたやろ?」
「ああ、確かに……でもそれなら入る前から増えてるはずじゃあ」
「ああ、あんま用ない人は中間地点より奥にはいかへんのよ」
「へぇ、でもなんで通路の中間地点に……」
正宗が疑問をぶつけると鞘歌が指をさす。
するとその先には獣耳族の人たちが荷物を受け取っていた。
「まぁ、ここで荷物を受け取る作業をするんや」
「へぇ」
「こっから奥には獣耳族以外あんまいかへんからなぁ」
ポリポリと鞘歌は頭をかく。
ふと疑問に思ったことを正宗に聞く。
「獣耳族以外いかないって、おれが行っても大丈夫なの?」
「大丈夫やよ~別に獣耳族以外の人がおらんわけやないし」
「そうか……お、出口だ」
正宗は出口をみると走り出す。
鞘歌もそれを追って走り出す。
「なんではしんの~!」
「そこに出口があるからー!」
二人は笑いながら出口に向かっていった。