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「おう。来たか、姉貴に正宗」


基地に到着すると窯洒が迎え入れてくれる。

ただし足に鎖のようなものが見える。


「あの~足のそれは?」

「これか、これはな……」

「逃げんようにするための鎖じゃよ」


ぬっと後ろから刹徳が出てくる。

その姿は目にくまをたずさわえていた。


「こやつは前回の件があって始末書を書かなくてはならんのじゃがいまだに終わっておらんのじゃ」

「あれから数日経ってると思うんやけど……逃げとるんやな?」

「ハ、ハハハ」

「動けないからここに来るように頼んだのか……」


窯洒は発言に対しての返答は笑い声だった。

正宗達はじろりと窯洒をにらんだ。


「ハ、ハハハ……と、ともかくだ。今回呼んだのは他でもない。これについてなんだ」


そう言って二人の前に一つの包みが出される。

その包みを窯洒ははらりと取っていく。


「これは家の家系に伝わるやつやな」

「そうだ」

「て言うかこれ何なんかうちもよう知らんのやけど」

「これは創像機に関係があるらしい」

「「なんやて!」」


二人は驚いて包みから出されたものを窯洒から奪い取る。

そしてじろじろと確認し始める。


「どう見てもただの石やで?」

「ただの石だけど何かありそうな……」


ふと頭に何かが浮かび上がるが思い出せない。

正宗は頭をひねる。


「んー」

「どしたん?」

「いや、何かどっかでこういう話を聞いたり見たりしたような……」


悩んでいる正宗に割って入って窯洒が話し始める。


「これは親父とお袋が死ぬ前。長男であるおれだけに話してくれたことなんだがこの医師は何かの伝承の封印を解くためのものらしい。いつか授けるに値する創像機のパイロットが現れたら渡すように言われていた」

「そんなんなんで今まで言わへんかったん?」

「親父達はこれを言ったら見極める前に即渡すだろってことで教えなかったらしい」

「あ~うちなら即渡してたやろうなぁ~」


鞘歌は頭をポリポリとかく。

正宗はじろじろと石を見る。


「ま、とりあえず受け取っといてくれよ」

「ああ……」

「話は終わったかの?」


話が終わると後ろからすっと刹徳が出てくる。

少しイライラしているように見える。


「あ、ごめんなさい。お返しします」


そう言ってスッと刹徳に窯洒を渡す。

窯洒は顔を青くする。


「げっ……」

「いや、当たり前やから。じゃあな」

「またな窯洒~」

「そっ、それだけ……」


そう言いつつ刹徳に引きずられる窯洒を見ながら正宗たちはその場を後にした。


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