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あれから数日が経過していた。
正宗は自室でゴロゴロとしていた。
「結局結婚することになってしまった」
正宗は意味もなくベットの上をゴロゴロする。
正宗は突然の責務にプレッシャーを感じていた。
テレビ放映やらなんやらはしないことにはなった。
だが結婚するということは中止にならなかった。
正宗は何も考えずゴロゴロするだけである。
「結婚かぁ……十代で結婚かぁ……」
ゴロゴロ転がるだけである。
「でもよくよく考えると今とあんま変わらない気もするね」
そもそも今すでに4人の女性と一緒に暮らしているのだ。
もはやそこに結婚という要素が加わろうとも何が変わるとは思えない。
正宗はそう思うことにした。
「リビングに行くか」
そう言いつつ正宗はリビングへと降りていく。
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「おはよう」
「おはようです」
「……おはよう」
「はよ~」
「おはようっす!」
リビングにつけて挨拶をすると返答が返ってくる。
それぞれの個性が出ている返答だ。
それを聞いて正宗は思う。
(これってやっぱ普通じゃ考えられない状況だよな……)
男一人に女数人。
こんな事は元の世界にいたら一生体験できないだろう。
なんだかんだで薙扨以外に親しい人物もいなかった。
あのままだと薙扨と二人だけの閉鎖的な生活になっていただろう。
(のほほんとして平和だ)
こんな平和は長く続いてくれればいい。
そう思った矢先に薺が壁紙を出す。
「はい、これが順番表です」
「……私……火曜日」
「うちが水曜」
「ぼくは木曜っすか」
「で、月曜日が私で金・土・日曜は自由ってことで」
何やら女性陣が曜日で会話をしている。
正宗はそれがすごく気になった。
正宗はくいっと近づく。
「順番表……としか書いてないな。なにこれ」
「ああ、正宗さんと一緒に行動する順番ですよ」
「ええ? 順番?」
「争いは避けねばならないっす」
正宗は頭を抱える。
ゆっくりと席から離れる。
そしてそっとその場から去り、部屋に帰った。