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家に帰っていた正宗達は窓から外を見ていた。
「あ、帰ってきたっすよ」
「無作為に追いかけるよりも待ってた方が正解だったな」
「入れ違いになったら困るっすからね」
家に帰って三人を待っていた正宗達は窓から見えた三人を迎える準備を始めた。
二人はそそくさと玄関へ向かい扉をあける。
「お帰り」
「なさいっす」
「ただいまです」
「あ、そか。ただいまやで~」
「……ただいま」
三人を迎えると扉を閉める。
全員はリビングへと向かっていく。
そして正宗と薙扨もリビングへ向かおうとする。
すると扉がドンドンと叩かれる。
「あー。これは誰が来たかわかるね」
「ああ、鞘歌さんの弟さんすね」
ガチャと扉をあける。
するとそこにいたのは案の定、窯洒だった。
「正宗。いや、義兄貴」
「あ、うん」
「気が早いっすね」
「ただこれを渡しに来た」
窯洒が後ろを指さす。
すると家具家財のセットとコットがあった。
正宗は口をあんぐりとさせる。
「お前もしかしてコットを私用に使ったのか!?」
「何を言う。大事な姉の門出だぞ」
「いや、でも、街中をこれで?」
「隣のドームからこっちのドームに来るまではトラックを借りていた」
「いや、そんなの聞いてないよ」
見当違いの答えをされて正宗は怒る。
窯洒は何が何やらわかっていない様子だ。
「弟さん。国のもんを勝手に使っていいもんすかね」
「姉のためなら許される」
「わけ、ないじゃろ!」
「あ、刹徳さん」
その後ろには怒り心頭の刹徳が立っていた。