表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オレの想像が創造されてしまった件について  作者: 海藤 正孝
第六章 ええっ!? 結婚!?
64/110

3

「ま、うちと窯洒が二人でそろうてきたんや。今までのキーワードをすべてつなげれば答えは簡単や」

「びょ、病気がちの窯洒のお姉さん?」

「はい、正解やで~プレゼントはう・ち♪」


頭にリボンを結びながら鞘歌は正宗に抱きつく。

正宗は汗をダラダラ垂らしながら固まる。

窯洒は泣きながら二人を見ている。


(創像機のパイロットになったから鞘歌さんはここで済むことになった。そのせいで今まで自分一人で支えてきた姉がほかの男と、しかも複数人の女と住んでるやつのところに向かわせなきゃならない。そりゃなくし怒るよ)


そんなもの誰が考えてもわかる。

そんなところに大事な姉を送る弟など存在しない。

もしいるとしたら気が狂っているのか、あるいは……


「正宗!」

「は、はい!?」

「俺はお前を信頼してるんだ! 大事に……大事にしてやってくれ」

「か、窯洒……」


相手を信頼していること。

信頼していないものには大事なものは託せない。

そんなことは当たり前である。

信頼しているからこそ託す。

窯洒の涙はそれを語っている。


「そんな、姉が結婚するとかそう言うのじゃないんだよ……」

「あれ? 創像機のパイロットは結婚する決まりやないの?」

「そんなきまりを聞いたことはないんだが……」

「いや、だってこの家にいるみんなはもう結婚しとるやろ?」

「はい?」


正宗はよくわからないといった顔をする。

そんな話この家では一度も聞いたことがない。

鞘歌は首をかしげながら言う。


「だって結婚式は来週やろ? キングが大々的にやる言うとったで」

「いや、まってよ。薙扨以外は知り合って一月かそこらなんだよ!? 早すぎるよ!」

「でももうテレビとかでやっとるよ?」

「はい?」


正宗は再びよくわからないといった顔をする。

すると廊下からドタバタとした音が聞こえる。

薺と薙扨が走ってきたのだ。


「ま、正宗さん! て、テレビで!」

「結婚! ニュースで!」

「ほらな」

「いや、国ぐるみの罠ってやつだこれは。いや、展開が早すぎる。こういうのはもう少し過程があるもんなんだ。ラノベ主人公的存在のはずなんだおれは……」

「序盤で結婚するってのはありえへん訳やないけどな」

「あれ、この世界にラノベはないはず……」

「雰囲気でわかるわ」


正宗は肩を下ろした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ