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オレの想像が創造されてしまった件について  作者: 海藤 正孝
第六章 ええっ!? 結婚!?
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2

「いやぁ、先輩が目覚めてくれて本当に良かったっすよ!」


パクパクと豪快にご飯を食べながら薙扨はそう言う。

正宗はそれを見て笑う。

そして薙扨は薺に向かって茶碗を渡す。

薺は特に怒りもせずに薙扨におかわりを渡す。


「およ。親切になったっすねぇ~」

「不親切は不仲を生み出すだけです。ね、正宗さん」

「ああ、仲良きことは美しきかなってやつだ」


正宗はご飯を食べながらそう言う。

箸を踊らせながらにこにこと笑っている。

薙扨は少しムスッとする。


「なんかわかりあってるっすね……むかつくッス」

「むかつくのはダメ。笑顔で話そう」

「……ま、正宗さんがそういうなら仲良くしてやらないこともないっす」

「どっちなんですかね、それ」


フフフと食卓に笑いが広がる。

無口で何も言わずに食事を続けている阿利洒も笑顔ではある。

家族の団欒というものが感じられる。


(……こんな感じが長く続くといいんだけど)


正宗は心の中でそうつぶやいた。


『ピンポーン』


部屋の中にチャイムの音が鳴る。

阿利洒以外の箸が止まる。


「もうお昼ですからね。お客様もこんな時間に来ますよね」

「来る予定あったの?」

「ないですね」


きっぱりと言う薺の言葉を聞き、正宗は立ち上がり玄関へ向かって歩く。

棚に置いてあったハンコを持ちながら。


「ま、宅配便だろ。おれが行ってくるよ」

「あ、どうもすいません」


正宗はそそくさと玄関に向かう。

しかし玄関に向かうと扉をドンドンと叩いているのがわかる。

チャイムも間隔をおいて何度かならされている。


「なんだ、なんだ」


正宗は催促に応じるように扉をあける。

すると同時に胸ぐらをつかまれる。


「正宗ぇぇぇぇ!」

「うわへ!? か、窯洒!?」

「お前、何してくれとんじゃぁ!」

「何? 何かしましたっけわたくし……」


少し宙に浮いた状態で正宗は窯洒に問いかける。

窯洒は少し泣きそうな顔で答える。


「くっうぅぅぅ……おまえは気かづいとらんのじゃぁ。お前はぁ~」

「な、なんかしゃべり方がいつもと違う……」

「怒り狂うと訛りが出るんじゃ!」

「な、なまり? ま、まさか獣耳族訛り……」


正宗がそういった瞬間、窯洒は頭のバンダナを外す。

するとそこから現れたのは獣耳だった。


「け、獣耳族……何かした……ま、まさか!」

「そう……うちや……」


窯洒の後ろから見慣れた女性が現れる。

それは見慣れた獣耳に八重樫の女性だった。


「さ、鞘歌さん……」

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