10
バリッターは赤リアビに向かって駆けていく。
両手に剣が出現する。
そして両腕をグルングルンと回転させ始める。
「「トルネードブレードアタック!」」
とくにひねりもない技名があたりに響く。
だが、それこそがロボットアニメの醍醐味。
二人はいい顔で勇ましく進んでいく。
回転するブレードから竜巻が発生する。
「そらそらそらぁー!」
「グギャギャー!」
その竜巻により赤リアビは宙に飛ばされる。
その宙へ飛んだ赤リアビめがけ剣を投げつける。
「グギ―!」
剣は赤リアビに突き刺さり、落下することにより剣がさらに突き刺さる。
そしてその場に倒れる。
「なんすかこれぇ~。強いって聞いてた割にはさっきのより弱そうじゃないっすか」
「以前は一体でも結構時間のかかったもんだけど……何か簡単にいくなぁ」
予想外に赤リアビが早く倒れたことに正宗は疑問に思った。
初めてこの世界に来た時に戦ったときはもう少し手間がかかったはずだ。
そんな奴が二体も簡単に倒されたのだ。
疑問に思わないはずがない。
(しかしこんなにすんなり……いや)
「とりあえず後一匹!」
そう言ってもう一匹に視線を移す。
その赤リアビは動きを止めてこちらを見つめている。
「知能がある?」
「あのアリがっすかぁ?」
「だって動きを止めてる」
「本能に従ってるだけかもしれねぇっすよ」
薙扨と正宗は少し言い合いをする。
「とりあえず倒せばいいんじゃないっすかね」
「ああ……ん?」
目の前にいた筈のリアビの姿がなくなっている。
ハッとあたりを見渡す。
すると先ほど倒した赤リアビの近くにいた。
それを見た二人は驚愕する。
「赤リアビが赤リアビを……」
「食べてるっす!」
倒した赤リアビ二体を赤リアビが食べていた。
その赤リアビはもはや普通ではなかった。