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正宗が目をあける。
そこはすでに創像機の操縦席だった。
その操縦席には見覚えがあった。
「このコックピット……バリッターのコックピットか」
「そうっす! 『バリバリブレイク! 英雄バリッター』の主人公機パリッターっす!」
バリッター。
それは正宗が向こうにいたときにずっと見ていたロボットアニメである。
バリバリと敵をブレイクしていくと言う姿がかっこいい作品である。
「ならば武器や技も!」
「無論同じっす!」
「そして姿も同じく」
「カッコいい!」
青いボディに白い顔。
胸のライオンが雄たけび上げる。
額のアンテナが光り輝き、火花を散らす。
「バリバリ敵をぶっ倒し!」
前口上を言いながら左手を前につき伸ばし、右足を振り上げる。
「ブレイクしていく英雄!」
そしてサムズアップをして叫ぶ。
「「バリバリブレイク、英雄バリッターここに参上!」」
意味もない爆発がバリッターの後ろで起こる。
コックピットでは二人がドヤ顔をしている。
その爆発が終わったとき、赤リアビが穴からあふれ出す。
その数3体。
「赤リアビは通常のリアビより強い」
「3倍位っすか?」
「それは定かではない。ま、とにかく倒す」
「ハハハっ、3倍とかどうでもよかったっすね」
バリッターはガシンと戦闘隊形をとる。
そして叫ぶ。
「「行くぞっ!」」