8
「おお、お帰りなさいっす! 倒してきたんすね!」
ニコニコと笑顔で二人の帰還を待っていた薙扨が二人に駆け寄ってくる。
正宗は笑顔で手を挙げる。
そして薙扨も手をあげる。
「「うおっしっ!」」
パァンとハイタッチをする。
そして二人はニカッと笑顔で見合っていた。
それを鞘歌はうらやましそうに見ていた。
「ええなぁ。えーと……二人とも!」
二人が鞘歌のほうを振り向くと鞘歌が両手を上げていた。
それを見た二人は手を挙げる。
そして鞘歌に近づく。
「「イェーィ!」」
「はわぁ~ええなぁこれ」
三人は笑顔で笑う。
意味もなく何回もハイタッチをする。
和やかな空気が辺りを包んだ。
『ピピピ』という音がその空気を止める。
「お、携帯が鳴ってるっすよ」
「あ、博士からだ」
『ピッ』とボタンを押すと博士の声が聞こえてくる。
それは驚いているような声だった。
『た、大変じゃ! 赤リアビの大群が突然消えたんじゃ! センサーからもじゃ!』
「は? 消えた? じゃあさっき倒したリアビは……」
『リアビ? ああ、一体だけ普通のがいたの。そいつは倒された形跡があるのぉ……うむ?』
「どうしました?」
正宗は問いかけるが博士は何も言わない。
正宗は疑問に思い問いかける。
「どうしたんですか博士? というかほかのリアビはコット隊が倒したりとかは……」
『これは……いや、まさか……』
「博士?」
「あのー先輩。ちょっと……」
クイッと薙扨が正宗の服を引っ張る。
正宗は携帯から耳を話し薙扨をみる。
そして薙扨の指差している方向をみる。
「な、なんだ? さっきリアビを倒したあたりが……」
「あれ、なんか出てくる感じがするっすよ……」
「……まさか」
正宗はパッと携帯に耳をあてる。
そして大声で言う。
「博士! 赤リアビは穴を通ってここに向かってるんですよ!」
『やはりそうか! しかしなぜじゃ……穴を掘るリアビなど以前の青リアビが初なんじゃぞ……』
「アリは穴を掘る生き物でしょう!」
『リアビは掘らない生き物だったんじゃよ!』
「そんなこと言いあってる場合じゃないっすよ~」
薙扨の言葉が言い合いしている二人を現実に戻す。
赤リアビが現れようとし始めているのだ。
そんなのを黙ってみているわけにはいかないのだ。
「ここははよ創像機出さな。もう一回いこか!」
「いやいや、鞘歌さん。ここはぼくが往くっすよ!」
「さよか。まぁ、ここはそれがお約束やな」
そう言いつつ鞘歌は一歩後ろに下がり、薙扨が一歩前に出る。
そして手を差し出す。
そして正宗はその手をつかむ。
「往こう薙扨。おれ達でこの国を救うんだ」
「先輩の目指す英雄への道ってやつっすね!」
「まぁ、確実に今までにない以上の危機やから頑張ってな。応援するで!」
そして二人は手を掲げる。
「「創像機召喚!」」
そして辺りは再び光に包まれた。