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庭に駆け出して行った老人は庭にある入り口を探していた。
そんな老人を見て正宗はため息をつく。
そして探しまくっている老人の肩をたたく。
「あの、まだ本読んでる途中なんで。ちゃんと読めばある場所も分かると思いますけど」
「あっ! 考えればそうですな。 ハハハ」
笑う老人を見て正宗は再びため息をつく。
そして再び正宗は本を読み始める。
老人も再び覗くがやはりよくわからないようだ。
「何々? 竹筒の下に奇跡の石を入れる……奇跡の石?」
「代々わが家に伝わるこれですな」
そういうと老人は服に着けていたペンダントを外す。
正宗はそのペンダントを受け取る。
「奇跡の石って割には普通に研磨しただけの石……」
「そんなことより早くしましょうぞ!」
「えっ、はい……」
子供のようにはしゃぐ老人に正宗は少し引いた。
それは置いておくとし、正宗は本に書かれている通りに石をセットする。
するとかちっという音とともに鯉のいた池が空いていく。
鯉たちはあいた部分にあった生簀に移動させられる。
そして目の前には地下へと続く階段が現れた。
「おおっ。こんなところにあったのですな。では早速降りて行きましょう」
そう言って老人は目の前に現れた階段をそそくさと降りていく。
正宗は再びため息をつき後を追うように階段を下りようとした時にふと本を見る。
そこには再び奇跡の石が必要になると書かれていた。
「持っていこ」
そう言いながら正宗は医師をとり階段を下りて行った。