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オレの想像が創造されてしまった件について  作者: 海藤 正孝
第三章 犬耳娘に遊ばれる!?
38/110

9

「ここがおいしいパン屋や」


鞘歌が指さすほうを見る。

するとそこにはパン屋があった。

だがそのパン屋を見た正宗はやや棒読みでつぶやき始める。


「……へぇ『おいしいパン屋』って名前なんだ」

「あ、なんや? だましたとでも思ってるん? 普通にうまいで!」

「いや、そこは別に疑ってないですよ」


正宗が変に思ったのはそのまんまだったところであり味は疑っていない。

短時間だがあんなに笑いあったのだ。

疑う余地はない。


「ほなら、はよ買いにいこか!」

「はいはい」


まるで駄々をこねる子供と親のように二人はパン屋へ向かう。


「あ、鞘歌ちゃん。いらっしゃ……あれ?」


パン屋の店員は鞘歌の横にいる正宗を見る。

するとポンと手をたたき納得した顔になる。


「なるほどなぁ。よし、今日のお勧めのこれとこれとこれでこの値段でどうだ」

「え? 何か知らんけどええの?」

「いいってことよ。なんせ鞘歌ちゃんの記念日になる日なんだからな」

「?」


鞘歌はよくわからないまま会計が済ます。

正宗は鞘歌を待っていたため店員の話を聞いていなかった。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


「で、再び頂上と」

「見晴らしええしね~」


屋上の広場に置かれているテーブルに二人は座っている。

テーブルの上には様々なパンが置かれている。


「クロワッサンにバターロールにこれはホットドックかな?」

「メロンパンにあんぱんにチョココロネもあるで」

「実に豪勢だなぁ……お金結構かかったんじゃない?」

「タダ同然やったわ……昨日の売れ残りなんやろか……」


目の前の豪華なものが安かったことに鞘歌は少し気になった。

が、目の前から漂ういいにおいによりそんなことはどうでもよくなった。


「ま、ええか。遠慮せず食べてなぁ~」

「ひゃっほう! いただきまーす!」


正宗は目の前にあったバターロールを手に取る。

パクパクと食べると顔がほころぶ。


「うめぇ! バターロールサイコー!」

「バターロール好きなん?」

「ああ、いろいろ味付けもするけど何もなしのノーマルのが一番さ」


パクパクとバターロールを正宗は食べ続ける。

鞘歌は自分の前にあるホットドックをとる。


「うちはこういう味付けのあるパンのほうが好きやわぁ~」

「ホットドックもうまそうだなぁ」

「ほぇ?」


ホットドックはすでに鞘歌が半分食べた状態である。

一つしかないのでもう分けることはできなさそうである。


「ま、もうむ」

「はい」

「んぁ?」


正宗の口に鞘歌が半分食べたホットドックが入れられる。

よけることもできずに正宗はそれを受け入れて食べる。


「むぐむぐ……っていきなり入れないで下さいよ!」

「ははっ。欲しがってたんやからええやないの♪」

「まったく……」


もぐもぐと手に持っていたバターロールを食べる。


(羞恥心ってものがないのかな……)


そう思いながらも正宗は鞘歌と一緒においしくパンを食べた。

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