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オレの想像が創造されてしまった件について  作者: 海藤 正孝
第二章 さっそうと現れる白銀の騎士!
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7

「まぁ、なんじゃ。ここに来たのも何かの縁じゃし。何か見ていかんか」

「そうですねー。じゃあ何か発明品見せてもらえますか?」


その言葉を聞き、待ってましたと言わんばかりに博士は箱を取り出す。

そして正宗の目の前に置く。

正宗はその箱をじっと見る。


「これは何なんです?」

「まぁ見ておれ」


箱の横にあるスイッチを押す。

すると箱の上に映像が現れる。

正宗は驚きの言葉を上げ、阿利洒は目を光らせて映像を見ている。


「すごい……」

「ほぇ~立体映像ですか」

「うむ。いずれはさらに大きなものにする予定じゃ」


そう言ってはこの横のスイッチを再び押す。

すると箱の上の映像が消える。

正宗は特になにも思わず、次に博士が何を出すのかを期待する。

阿利洒はこの世の終わりかのように絶望した顔になった。


「……もう終わり……なの?」

「ん? いや、次もあるぞ。ほれ」

「これは携帯電話?」


目の前に出されたのは携帯電話のようなものである。

初期型と言えばいいのだろうか。

持ち運びは楽であり、別に肩にかける必要のあるものではない。

正宗は見慣れたものを見て普通にしているが、阿利洒は尋常ではない。

目をキラキラさせてワクワクさせている。


「ねぇ、なに……これ……」

「これはとくに名前も考えとらんかったが、創像機のやつが言うとった携帯電話でええかの」

「携帯……電話……」


そう言いつつ、心を抑えられなかったのか阿利洒は携帯電話を手に取る。

そこにあるボタンを適当に押し始める。

それを見ていた博士がもう一つの携帯電話を正宗に渡す。


「あ、これで通信できるんですね」

「よくわかっとるの。まぁ今のところこの二つしかないんじゃが。この青いボタンを押せば二つがつながるようになっとる」

「押す……」


待っていましたと言わんばかりに阿利洒が青いボタンを押す。

すると正宗の携帯電話が震える。

そして正宗も青いボタンを押す。


『はい、もしもーし』

『……近くにいるから、普通に聞こえる……』

『いや、そうだけども……』


そうこうしていると阿利洒が赤いボタンを押し通信を切る。

正宗はやれやれという顔で阿利洒を見る。

阿利洒は少し不貞腐れていた。


「子どもだなぁ~阿利洒ちゃんわさ」

「わたしは……子供じゃない。もう15歳。大人……」

「うん。大人、大人」


そう言いつつ正宗はポンポンと頭を叩く。

阿利洒は恥ずかしそうにその手を振り払う。

正宗はフフッと笑う。


「さて、博士。携帯電話はお返ししますよ」

「いや、お主らが持っておいてくれ」

「いいんですか?」

「いいんじゃ。丁度いいからテストしてくれ」


そう言われた正宗は携帯電話をポケットにしまう。

阿利洒も一応ポケットにしまう。


「さて次は……」


『ヴーヴーヴー!』突如警報が響きだす。

正宗は警報の音が響く方向をみる。

阿利洒は扉に向かって駆け出す。


「二人とも動くでない!」

「「!?」」


突然の博士の叫びに二人は動きを止める。

そして博士は何かのスイッチを取り出す。


「ちょうど二人おるんじゃ。何が来たかは知らんがどうせリアビじゃろ。テストしてもらうとしよう」

「「テスト?」」

「うむ。ポチッとな」


下から『ガチャっ』という音がするので、二人は下を見る。

しかし見た時には既に遅かった。

二人は自分の足元に空いた穴に落下していっていたのである。


「「!?」」


二人は言葉も発せぬまま部屋から消えていった。

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