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オレの想像が創造されてしまった件について  作者: 海藤 正孝
第一章 みんなの心を釣り上げろ!
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12

沼におぼれていく2機のパイロットは助けを求めもがいていた。


「お、お前らぁー! 今助けるぞ!」

「わ、私たちも助け……何か想像しましょう!」

「できるだけ早く頼むよ。間に合わなくっちゃぁ困る」


2機に向かって駆け寄って行く窯洒。

薺は考え始め、正宗はただ待つだけ。

正宗は貧乏ゆすりをしながらただ現状を見ているしかない。


(これは薺を待たないで助けに行くか? いや、待ったほうが確実なものが出せるかも)


正宗は今行くべきか行かないべきかを悩んでいた。


「思いつきました! ソーリューアンゲルルーテです!」


そう思っていると薺が思いついたものを告げてくる。


「噛みそうな……ゴホン。ソーリューアンゲルルーテ!」


そう叫ぶと、正宗の手に竿が現れる。

正宗は少し驚く。


「さ、竿!?」


創像機の手には青い龍の尾っぽを模した竿が現れていた。

正宗は釣りの要領で竿を投げる。


「これで釣りあげろってかぁ!」


その竿の先に1機のコットがかかる。

その横でもう1機のコットに窯洒は手を差し伸べていた。


「「よし、助けるぞ!」」


窯洒と正宗の言葉は同じだった。

二人は一生懸命に頑張った。

竿を持ち上げた正宗は精いっぱい力を入れる。

手をつかみ引き上げる窯洒は気合を入れる。


「「うおぉぉおおぉぉ!」」


その勢いでコットが引き上げられる。

だが、それは……


「釣りあげたぜぇ!」


正宗のみ。

引き上げられたのは正宗が竿で釣りあげた方のみである。

窯洒のほうは助けられるどころか自分も危ない状況である。


「くそぉおぉぉ! 助けるんだ! 助けっ!」


窯洒の方向もむなしく、自分自身も引き込まれていく。

すでに先に引き込まれていた方は下半身どころか上半身もほぼ見えない。


「あれはやばい! 竿で釣りあげてもどっちか一人は助からない!」

「あーうー! ど、どうしましょ!」

「くっそ!」


正宗は駆け出して窯洒に近づく。

窯洒はそれを見て驚く。


「何やってんだよ! さっきの釣りでこいつを助けてやれよ!」

「それで助けてもおまえは助けられない!」

「なんておれを助けようとすんだよ!」

「お前はいい奴だし悪いことをしてないだろ! 助けるのにそれ以上理由はいらない!」


そう言って正宗は窯洒のコットの手を握る。

だが、右手にはソーリューアンゲルルーテを持ったままである。


「これで、うまくいくはずっ!」


さっと投げたソーリューアンゲルルーテは近場の岩に引っかかる。


「薺ちゃん! ソーリューアンゲルルーテってかかった先の方にも移動できるよな?」

「え? あ! できますよ! できます!」

「よし! おれたちを引っ張れ! ソーリューアンゲルルーテ!」


『ギィィィィ』という音とともに岩の方へ正宗達は引っ張られていく。

窯洒も引きずり込まれていたコットも引っ張られていく。


「うおっしゃ!」

「す、すげぇ……」


正宗は2機の救出に成功した。

創像機2回目の出撃は撃破数は0だが、被害も0という結果となった。


1章は今回でおしまいです。

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