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オレの想像が創造されてしまった件について  作者: 海藤 正孝
第一章 みんなの心を釣り上げろ!
18/110

11

走る正宗と薺。

肩で息をしている。


「ヒェーヒェー。それでこっちなの?」

「ハァーハァー。こっちだって言ってましたよ!」


息を切らしながら二人はリアビが現れた場所に向かっている。

コット隊はコットごと移動するカタパルトがあるのだが、2人はそれは使えない。

そのため前回使った穴へと向かって走っているのである。


「ハァフゥー。なんでここに歩く歩道がないんだ」

「フゥハァー。あまり人きませんからねぇここ」


基地からここまでの距離が遠いため、かなり息切れしながら走る。

顔は崩れ、見ていられないほどひどいものとなっている。

二人はそれほど精いっぱいに走っている。


「あ、見えましたよ!」

「昨日のあれだね!」

「そうです!」


昨日の穴を見つけ二人は走りぬける。

そして勢いで落ちる。

2人は驚愕する。


「って! 勢いで降りちゃったがこれって!」

「ふ、二人同時に入って!?」


『むぎゅっ』という効果音が聞こえるかのように二人は抱き合った状態になる。

二人の顔は赤くなる。

狭い空間のため動くこともままならない。


「ちょっ、あのっ! 少しずつ下に降りて行く感じで時間かかりそうなんですけど! ど、どうにかなりませんかね!」

「ど、どっちかが先に降りれればいいんだろうけど。せ、狭いからね」


ギュウギュウとなっていて動くことはままならない。


「で、ですね……密着してますものね」

「え? なに、聞こえない。ってリアルでこのセリフいう展開になるとは」


ぼそっと言われたことはラノベ主人公は理解できないのが鉄則。

だがこんな状態で何を言ったかわからないほど正宗はバカではない。

結局のところ解決方法はなく二人はゆっくりと下に落ちて行った。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


穴の出口周辺で二人は息を荒げて立っていた。


「ハァハァ……いろいろ疲れましたね」

「ゼェゼェ……はい、疲れました」


少し顔は赤いが、緊張は解けてきたようだ。

2人は立ち上がる。


「正宗さん言葉づかい変ですよ」

「緊張した。大胆かつ柔軟に」

「それ言葉の使い方間違ってますよ」


薺の鋭いツッコミを聞きながらも正宗はあたりを見渡す。

すると右の方向にリアビらしきものを見つける。

そうして指をさし薺に問いかける。


「あ、あれじゃない? リアビ」

「あ? あ、あれですかね。では」

「創像機だな」


2人は顔を合わせて頷く。

昨日と同じく正宗が腕を上げ、薺がそれを握る。


「現れろ、創像機!」


そして二人は光に包まれる。

球体となり飛び上がった光を中心に創像機が想像の元に想像される。

そして英雄がその場に現れる。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


「よし、行くぞ!」

「おー!」


そう言って二人はブーストしながらリアビに近づいていく。

が、それが倒されたリアビの山と気がつくとブーストをやめた。


「ありゃりゃ?」

「もう、倒されている?」


ここに来るまでにかなりの時間を要したため、もうすでに倒されてしまった。

それを理解した二人は創像機の中で大きな息を吐く。


「やっと来たか~」


創像機の足元から声がする。

目の前のモニターが声のしたほうをズームする。


「窯洒か!」

「んだ? 声が聞こえてんのか……まぁいいや」


そう言いつつ窯洒はコットに乗り込む。

正宗はそれをただ見ていた。


「へへっ。どうよ創像機さんよぉ。あんたが来る前におれらが倒しちまったぜぇ」

「そのようだな」

「へへっ。おれの実力がわかったかよぉ~」


どうだと言わんばかりに後方のリアビを指さす。

正宗は何も言わずにじっと見ていた。


「へへ、なにも言わねぇのか? このリアビの山を見てよぉ!」

「いや、そのなんか……山が消えていってるんだが」

「あ? なにいって……ああ!?」


後方に積まれていたはずのリアビの山が下へ下へと消えて行っていた。

残っていた二機のコットも巻き込まれて下へ下へと落ちて行っていた。

その二機には落ちていくのに気がついた二人も乗っていた。


「か、窯洒さん! た、助けてくれ!」

「お、落ちてくんだ! 足がうごかねぇ!」


そして二機はずぶずぶと下に落ちていく。

その二機がある地面は底なし沼のようであった。


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