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オレの想像が創造されてしまった件について  作者: 海藤 正孝
第一章 みんなの心を釣り上げろ!
15/110

8

「先ほどから見えていましたがここに立っているのがコットです!」

「人型二足歩行なんだな。へぇ……」

「操縦席があって……パイロットが、頭の中で……想像すると、動く」

「ほぉ。動く必要性がないんだ」


人型のロボットが5機並んでいる。

両腰には剣、背中には盾と銃が装備されている。


「銃の弾は魔力弾と言って魔力を込めて発射するんですよ」

「銃用魔力が……尽きたら使えなくなるけど……」

「ほうほう」


じろりじろりと正宗はコットを見ていく。

それを見ている正宗の顔はニヤニヤとしていた。


「あ~ロボットはやっぱりかっこいいなぁ」

「コットは……特にこれといった特徴もない魔学機だけど……」

「シンプルなところがまたいいんだよ。およ? あの一番端のは?」

「ああ。あの重装備タイプでアンテナが付いてるやつですか」


一つだけ装備が違い、見た目もやや違う機体が一機だけある。


「あれは……隊長機……」

「ほぉ。やっぱ特別な装備で……」

「あれはわしが使いやすいように自分がカスタマイズしただけじゃ。アンテナ以外は自分の金で装備したんじゃ」

「へぇ……ん?」


後ろから知らない声が聞こえたので、くるっと後ろを振り向く。

するとそこには小太りな髭を生やした男がいた。


「隊長……」

「おーおー、阿利洒。創像機のパイロットさんに案内をしとったんかい」

「なりゆきで……」

「さよか」


そう言いながら隊長は阿利洒の頭をコスコスとなでる。

阿利洒はなでられた時少し嬉しそうに笑っていた。


「おうおう。確か創像機の正宗さん、やったかな? わしはコット隊隊長の刹徳(せつとく)じゃ」

「あっ、初めまして。創像機の正宗です」

「おうおう。よろしくたのむぞ」


パンパンと正宗は背中を叩かれる。

正宗は『アハハ』と軽く笑いながらそれを受け入れていた。


「なんだかいい感じですね」

「隊長……やさしいから……」


二人は笑顔でそれを見つめていた。

和やかなムードというのはこういうことを言うのであろう。


「へっ。隊長さんはお気楽だねぇ。仕事を奪う敵みたいなもんなのによぉ」


バンダナを付けた10代後半の八重樫の男が嫌味な顔でこちらを見て近づいてくる。

刹徳はその男を見て怒鳴る。


窯洒(かましゃ)! お前はまたそんな態度しかとれんのか!」

「けっ。おれはあんた見たくそんな余裕も実力もないでねぇ~」


そう言いながら窯洒は正宗をのぞきこみ、にやりと笑う。

正宗はその顔に嫌悪感を感じる。


「なんだよ。噂と違って雑魚っぽいねぇ~。こりゃ噂を信じすぎちまったなぁ~」

「なっ、なんですと!」

「薺ちゃん。ストップ」

「え? うー、正宗さんが言うなら」


窯洒に殴りかかろうとしていた薺を正宗は止める。

それを見た窯洒は再びニタニタと笑ってこちらを見てくる。


「おうおう。いいコンビっぷりだねぇ~ま、せいぜい頑張れや」


そう言って窯洒はその場を去って行った。

正宗は何もしゃべらず、薺は歯ぎしりを立てて睨んでいた。

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