『ちーちゃん』
設定上は5歳児……無理があるなw
ちーちゃん家は、パパもママもゲームがだーい好き。
パパはゲームを作る会社でお仕事をしています。
ママはお家で時々薄い漫画を書くお仕事をしています。
お休みの日はリビングの大きな画面のテレビで一日中みんなで仲良く色んなゲームをして遊ぶの。
パパはちーちゃんに「英才教育を施すんだ!」と張り切って、ふるーい一つしかゲームができないピコピコするやつから、ちょっと前にお家に来たばかりのTVでやってるキレイなやつまで、いろんなゲームをちーちゃんに薦めます。
ママは「マニアックなものばかりさせて……周りの子から浮いたら可愛そうでしょ!」とパパにお説教します。
パパは「大作よりも名作を」と言って、おともだちがぜんぜん知らないゲームを教えてくれます。
ちーちゃんはパパの薦めてくれるゲームが大好きです。
ママは「女の子なんだから」とかっこいいお兄さんがいっぱい出てきて、ちーちゃんと仲良くしてくれるゲームを薦めてくれます。
パパは「ちーちゃんには未だ早いだろう!」と言ってママを叱りますが、ママは「BLじゃないんだから良いじゃない!」と言い返します。
パパが何で怒るのか分かりませんが、ちーちゃんはゲームのお兄さんが『げんじつ』の男の子と違って、とても優しくしてくれるので大好きです。
将来はどの人のおよめさんに成ろうかと、おやすみの前にママと楽しくお話します。
その時に「そう言えばBLってなーに?」とママに訊いたら「ちーちゃんがお姉さんに成ってからね、腐腐腐」と笑って誤魔化されました。
ずるいなあ。
大人が独り占めするぐらいだからきっと凄く面白いゲームなんだろうなあ。
クリスマスにサンタさんにお願いしてプレゼントしてもらおうっと!
パパもママもとってもゲームが上手で「二人でありとあらゆるゲームを制覇してきた」と言ってちーちゃんにすごい数の賞状やトロフィーを見せて自慢します。
パパもママもとってもちーちゃんに厳しくて「ゲームで手加減するの相手に失礼だ」と言って、ちーちゃんと対戦しても全くよーしゃありません。
ちーちゃんはいつもコテンパンにやっつけられます。
それでもちーちゃんはパパとママに挑戦します。
そうするとパパもママも「偉いぞちーちゃん。大事なのはどんなに負けても諦めないで次に勝つ為に考えるヤツだ。諦めてしまったらそこで終了だが、ゲームは諦めさえしなければ何度でもコンテニュー可能だ!!」と褒めてくれます。
でもそんなとっても強いパパとママにもちーちゃんが絶対に勝てるゲームがあります。
それは『たいかんがたすぽーつげーむ』です。
パパもママもとってもの『うんどうオンチ』なの。
この前もマットの上でかけっこするゲームではすぐにバテバテになっちゃうし、コントローラーを振り回すゲームではすっぽ抜けて窓を割っちゃうし、踊りを踊るゲームでは足がこんがらがって倒れちゃうの。
パパもママも「パッドさえ使えば、こんなゲーム如き……」と悔しがりますが、だからといってパパもママも「製作者の意図に反するプレイは邪道である」と言ってせいせいどーどーを貫きます。
かっこわるいけど、かっこいいです。
そんな二人の間に生まれたちーちゃんは、奇跡的にすぽーつが得意です。
幼稚園の運動会でそれに気付いたパパは「我が家の死角が埋まるぞッ!これで田之中家は10年先まで戦える!!」と大喜びでした。
誰とケンカしてるのかちーちゃんにはよくわかりませんが、パパが喜んでくれるからちーちゃんも嬉しいです。
パパとママと一緒に参加したこのゲーム。
このゲームはクリアできなかったら死んじゃうんだと言われました。
パパもママもスポーツが苦手なのに、ちーちゃんが一番楽しめるゲームだって言ってこのゲームを選んでくれました。
このままじゃパパとママが死んじゃう!
ちーちゃんはパパとママの分も強くならないといけません。
だからパパに教わったやり方で、自分のアヴァターをいっぱい弄りました。
でもそのせいでもの凄く大きく怖くなっちゃって、パパもママもちーちゃんのこと見つけられなかったみたい。
しかもなんだか大きくなりすぎちゃったせいか、ちょっと身体を動かすたびにとってもイタイの。
哀しくなってガマンできなくて泣いてるちーちゃんを助けてくれたのが『ハルオおにいちゃん』。
ハルオおにいちゃん大好き。
ハルオおにいちゃんはちーちゃんを助けてくれる王子様なの。
みんなの憧れのおにいちゃん。
おにいちゃんは、ちーちゃんをおうちに帰してくれるって約束してくれたの。
でもきっと今頃パパもママも帰れなくて困っているの。
助けられるのはちーちゃんしかいないの。
ハルオおにいちゃんやみんなが助けてくれる様に、ちーちゃんもパパとママをこの世界から助け出してみせるの。
幸せな家族に訪れた死の恐怖。
少女は両親を助け出し、王子様とハッピーエンドを迎える事ができるのでしょうか?
なんちて




