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第73話 炎と拳の死闘

 夜空を裂く拳と炎の衝突が幾度となく繰り返される。

 カイの《混血顕現》の拳は炎を打ち払い、マクシミリアンの大槍は空気を焼き裂いた。


「はああああッ!」

 翼を広げたカイが空から拳を叩き込む。

「ぬおおおおッ!」

 マクシミリアンが大槍で受け止め、炎の爆発が二人を包む。


 衝撃波で石壁が崩れ、鍛冶街の大地が震えた。


「こいつ……化け物同士の戦いじゃねぇか……!」

 ドワーフ兵が目を見開き、思わず呟く。


 それでもマクシミリアンは狂気に燃えていた。

「どれほどの力を得ようと、異端は異端だ! 必ず浄化してやるッ!」

 炎の奔流が槍から迸り、空を覆った。


「させないッ!」

 フィオナが杖を掲げ、緑の魔法陣を展開する。

「――《森羅裁断ジャッジメントリーフ》!」

 光の葉が炎を切り裂き、カイの進路を守る。


「よくやった、フィオナ!」

 カイが拳を振り抜き、マクシミリアンの鎧を打ち砕く。


 だが将軍も怯まない。

 焼け爛れた顔を歪め、狂気の笑みを浮かべる。

「まだだ! まだ終わらん!」


 彼の背後に、砲台の光が再び集束していく。

 巨大な矢が放たれようとした瞬間――。


「こっちだァァァッ!」

 オルドが轟鉄隕槌を担ぎ、砲台の前へ飛び込んだ。

 戦鎚を振り下ろし、鉄と木を粉砕する。爆炎が彼を包むが、巨体は微動だにしなかった。


「砲台は任せろ! 若造、お前は奴を叩け!」


 仲間たちの声がカイの背を押す。

 紅と蒼の瞳がさらに燃え上がり、拳に力が集束していく。


「……わかった。もう絶対に誰も死なせない!」

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