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第48話 森の祝福

 朝の森。露を帯びた葉が光を返し、精霊の集落は静かな輝きに包まれていた。

 広場に集まった仲間たちは、昨夜の試練を経たフィオナの姿に息を呑む。


 蒼樹の杖を手に、深緑の法衣を纏い、森羅万象の書を腰に下げた彼女。

 その立ち姿には、昨日までの怯えや迷いはなかった。


「フィオナ……昨日までと別人みたいだ」

 ディランが驚き混じりに呟く。

「違う。これが本来の彼女なのだろう」

 ハルドが低く言い、鋭い目で彼女を観察した。


 長老が一歩進み、威厳ある声を響かせる。

「フィオナよ、ここでお前の力を示すのだ。仲間たちに、“精霊の後継”であることを」


 フィオナは深く頷き、杖を掲げた。

 その仕草は穏やかだが、瞳には鋭い光が宿っている。


「……黙りなさい」


 冷ややかに告げる声と同時に、彼女の足元に巨大な緑の魔法陣が展開された。


「――《森羅裁断ジャッジメントリーフ》!」


 光の葉が無数に舞い、根が大地からせり上がり、広場に設置された試練用の石像を一瞬で切り裂いた。

 大地ごと抉られた跡が残り、空気は震え、仲間たちは息を呑んだ。


「な、なんだ今のは……!」

 ディランが目を丸くする。

「回復や守りじゃない……あれは、純然たる殲滅魔法だ」

 ハルドが低く呟く。


 しかし、フィオナは平然と森羅万象の書を開いた。

 今度は虹色の六重の魔法陣が頭上に浮かび上がる。


「――《万象律詠エレメントコード》!」


 六属性の光線が円環状に放たれ、石像群は一瞬にして粉微塵となった。

 虹色の残光が消えた時、広場はただ静まり返るばかりだった。


 呆然とする仲間たちを前に、フィオナは杖を下ろし、柔らかく微笑んだ。


「これで……みんなを守ってあげられる」


 満面の笑みを浮かべる彼女の姿に、誰もが言葉を失っていた。

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