表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/247

第47話 火と瞑想の試練

鍛冶の火 ― カイ


 工房の奥。

 赤々と燃える炉の前に立つカイに、オルドは巨大な槌を差し出した。


「武器を打て。だが、ただ叩くだけでは意味がない。

 お前の“心”が火に負ければ、鉄は砕ける」


 カイは槌を握り、炉の炎に向き合った。

 紅と蒼の瞳が燃え上がる炎を映す。

 思い出すのは、アリシアの最期の笑顔――。


「……絶対に、負けない」


 槌が振り下ろされ、鉄が火花を散らす。

 汗と涙が混じり、叩くたびにカイの心は研ぎ澄まされていった。


 オルドは黙って見つめ、やがて低く呟いた。

「……悪くない。お前には“火を越える心”がある」



瞑想の森 ― フィオナ


 一方、フィオナは長老に導かれ、巨木の根元に座っていた。

 月明かりが差し込み、森そのものが彼女を包むように静まり返っている。


「お前の試練は“瞑想”。己の心に潜む闇を乗り越えねばならぬ」

 長老の言葉に、フィオナは目を閉じた。


 闇の中に浮かぶのは、鎖に繋がれた過去の自分。

 恐怖に震え、声を奪われた影。


「……私は……もう、囚われない!」


 叫んだ瞬間、心の中で光が弾けた。

 蒼い樹木がそびえ、枝葉から光の粒が降り注ぐ。

 その中に三つの宝が浮かんでいた。


 ――蒼樹の杖。

 ――精霊の法衣。

 ――森羅万象の書。


 それらが彼女の手に吸い寄せられ、力が体に流れ込む。


 目を開いたフィオナの瞳は、恐怖ではなく静かな自信に満ちていた。

「これが……私の力……」


 夜が明ける頃。

 工房で火を越えたカイと、森で瞑想を終えたフィオナが、それぞれ仲間たちの前に姿を現した。


 紅と蒼の瞳を光らせる少年と、蒼樹の杖を手にした精霊の娘。

 その姿は、仲間たちに新たな希望を示していた。


 ――二人の解放者は、次なる戦いに備えて力を得たのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ