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第237話 第一会戦「覇帝ライナーの鉄壁」開幕

 大陸中央平野の東側――。

 黒鉄の軍旗がはためき、重厚な行進音が地鳴りのように響いていた。


 帝国機甲重装部隊。


 全身を覆う黒鉄の鎧は城壁そのもの。

 盾は砦の扉を思わせ、槍は塔のように天へ伸びる。

 その歩みは遅いが、一歩進むたびに大地が揺れ、砂塵が舞い上がる。


「ご立派なもんだな……鉄の軍団か」

 オルドが戦鎚を握り、険しい目で見据える。


「ビビってんのか?」

 ライオネルが笑い、大剣を担いだ。

「だったら俺が先頭に立つ。獅子は臆病じゃねぇ!」


「馬鹿言え。臆してなどおらん。だが相手は覇帝ライナーだぞ」

 オルドは眉間に皺を寄せる。

「正面から殴れば死ぬ。だからこそ、俺とお前の役割が要るんだ」


 その視線の先――帝国軍の中央に、黄金の装甲を纏った巨躯が立っていた。

 帝国皇帝、ライナー・ガルディア。


 陽光を反射する鎧は、まるで大地を統べる覇者の証。

 その圧だけで前線の兵士たちは膝を震わせた。


「我こそ覇者! 愚かなる獣と鍛冶師よ、ここで踏み潰してやろう!」


 皇帝が拳を掲げた瞬間、兵たちが一斉に咆哮を上げる。

 重装の列が揺るぎなく進み出し、平野が鉄壁に覆われていく。


「来やがれ……!」

 ライオネルが地を蹴り、大剣を振り上げる。

「獅子の咆哮で、その鉄壁を打ち破る!」


「そして俺の槌で砕き尽くす!」

 オルドが戦鎚を振りかぶり、叫ぶ。


 背後で獣人族とドワーフ族の軍勢が一斉に雄叫びを上げた。


 ――第一会戦、帝国戦線が開幕した。


 獅子の鬣と鍛冶の火花が、帝国の鉄壁へ突撃する。

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