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第236話 決別と進軍

 連邦旧議事堂を出た大陸中央平野には、三方向から迫る三国連合の旗がはためいていた。

 王国の聖騎士団、帝国の機甲重装部隊、公国の魔道兵団――。

 そして、そのすべてを統べるように王国白銀騎士団長レオンハルトの旗が中央に立つ。


「……来やがったな」

 ライオネルが唸り、大剣を握りしめる。


「このまま全員で突っ込めば、各個撃破されて終わりだ」

 オルドが険しい顔で戦場を見渡す。

「戦場を分け、それぞれの得意をぶつけねば勝機はない」


 沈黙が流れた。

 カイは一人ひとりの仲間を見回し、深く息を吸った。


「……ここで別れよう。

 俺たち全員で同じ戦場に立てるわけじゃない。

 でも、信じてる。お前たちなら必ず勝てる」


 まず、ライオネルが一歩前に出る。

「獅子と鍛冶師は、鉄の軍勢にぶつけるのが筋ってもんだろ!」

 横でオルドが頷く。

「獣人の突撃とドワーフの槌で、あの帝国機甲を粉砕する!」


 フィオナが冷ややかに言葉を続ける。

「ならば、私はミラと共に公国の魔道兵団を抑えましょう。

 翼人と精霊族を率いれば、空と魔法で対抗できるはず」

 ミラが翼を広げ、明るく笑う。

「やっほー! 空戦はアタシの得意分野だしね! 公国なんか吹き飛ばしてやる!」


 セレナが胸に手を当て、静かに言った。

「私は……歌で人々を守ります。ルカ、エステル、共に」

 ルカが短く頷く。

「……あぁ。王国の白銀騎士団なら、我らで押し返せる」

 エステルは皮肉めいた笑みを浮かべた。

「皮肉じゃないわよ、事実よ。法と理屈で王国を揺るがしてやる」


 最後に、中央で立つカイがレオンハルトの旗を睨みつける。

「レオンハルト……あんたは俺がやる。

 アリシアの因縁は、ここで終わらせる」


 仲間たちはそれぞれの戦場へ駆け出した。

 獣人とドワーフは帝国の鉄壁へ、翼人と精霊族は公国の空へ、連邦民衆は王国の聖騎士団へ。


 そしてカイはただ一人、白銀の旗へと歩みを進める。

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