表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
233/247

第233話 異種族の集結

 連邦の旧議事堂――瓦礫を修復して会場とした大広間には、各地から集った旗と紋章が林立していた。

 エルフの長老は深き森の紋章を背に、獅子獣人族の戦士長は金色の鬣をなびかせ、ドワーフ族の鉱王は分厚い胸板を誇示し、魚鱗族や人魚族の代表もそれぞれの使者を連れている。

 翼人族の評議会代理は険しい顔を崩さず、精霊族の賢者は透き通る杖を握り、すべての視線が一点に集まった。


 ――カイたち一行。


「世界敵と呼ばれた者が旗を掲げる、か」

 長老の声は震えていたが、その瞳には確かな光があった。


「任せろ!」

 ライオネルが豪快に立ち上がる。

「俺たちはこれまで、帝国だろうが公国だろうがぶち破ってきた! 最後に三国まとめてかかってくるなら……派手にぶっ倒すだけだ!」


 会場にざわめきが走る。


「だが、忘れるな」

 翼人族の代表が冷たい声を響かせた。

「この戦いに敗れれば、異種族は一斉に狩られる。

 貴様らの“理想”に付き合って滅ぶなど、愚かではないか?」


 その言葉に、場の空気は凍りついた。


 しかし――フィオナが立ち上がり、静かに言葉を紡いだ。


「……もう怯えて隠れるだけの時代は終わったのです。

 彼は人間でありながら、異種族のために拳を振るった。

 その事実を、あなた方も見たはず」


 鋭い瞳が会場を射抜き、沈黙が流れる。


 そこへ、セレナが柔らかな声で歌い出す。

 静かな旋律が大広間に広がり、疲れ切った人々の心をほどくように揺らした。


「……解放の歌だ」

 魚鱗族の代表が思わず呟く。


「俺たちは奴隷として鎖に繋がれてきた。

 だが、鎖を断ち切ったのはあの少年と仲間たちだ。

 ならば俺は、彼らと共に戦う」


 力強い宣言に、再びざわめきが起きる。


「俺たち鍛冶師の腕が欲しいなら、全部持ってけ!」

 オルドが豪快に笑う。

「兵を鍛え、武具を揃え、砦を築く。やれることは全部やってやる!」


 その熱に当てられるように、各種族の代表が次々と頷いた。


 最後に、カイが立ち上がる。

 仲間の顔を一人ずつ見回し、そして民衆の声を背に受けて。


「俺は世界敵でいい。

 だけど俺は、仲間と共に立ち上がり、この旗を掲げて、奴隷も異種族も人間も、全部を解放する!

 その未来を信じてくれるなら……共に戦ってほしい!」


 その叫びに、各種族の代表が立ち上がり、拳を突き上げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ