第228話 買い物大作戦!
出発を控えたカイ一行は、街の市場へと繰り出した。
目的はただ一つ――旅立ちの準備。
「よし、二手に分かれて効率よく買い物だ!」
ライオネルが胸を張る。
「俺とカイ、フィオナはこっち! セレナ、ミラ、ルカ、エステルはあっち!」
「え、なんで私そっちなの? ライオネルと一緒がよかったのに」
ミラが不満げに翼をぱたつかせる。
「……騒がしいのは一ヶ所に固めた方が被害が少ない」
ルカが真顔で答えた。
■チームA
「お、干し肉! 安いぞ!」
「ちょっと待って、そんなに買い込んだら重いでしょ!」
ライオネルとフィオナが口論している隙に、カイは露店のオバちゃんから手作りおにぎりを大量に押し付けられていた。
「若いんだから食べなきゃダメよ!」
「え、ちょ、こんなに……」
腕いっぱいにおにぎりを抱えるカイ。
「おいカイ! なんだその山は!」
「知らねぇよ! 勝手に渡されたんだ!」
■チームB
「きゃー! 見てセレナ! この羽飾り絶対似合うって!」
「えっ、あ、あの……少し派手すぎません?」
セレナが困っている横で、ミラはすでに5種類のアクセサリーを抱えていた。
「ルカ、これ持って」
「……あぁ」
黙って袋を抱えるルカ。
通りがかりの店主に「頼りになる旦那さんねぇ」と言われて赤面するが、無言で耐える。
「ふふ、買い物ってこうやって庶民と交流できるのが楽しいのよ」
エステルは優雅にワインを試飲していた。
「……あれ? いつの間にか私が一番散財してない?」
◆◆◆◆
二手に分かれた一行が再び合流すると――。
「……」
両手いっぱいに食料を抱えたカイと、宝石や羽飾りに埋もれるミラ。
さらに無言で荷物持ちに徹するルカと、なぜか高級ワインを抱えご満悦なエステル。
「おい……これ全部持って旅に出るのか?」
ライオネルが額を押さえる。
「……えへへ、旅の準備は大事だから!」
ミラが笑顔でごまかす。
「皮肉じゃないわよ、これは必要経費よ」
エステルは堂々と胸を張る。
「……重い」
ルカの一言で、場が爆笑に包まれた。
こうして、戦いとは全く関係のない大騒動の買い物大作戦は幕を閉じた。




