第211話 最高裁判の開廷
瓦礫と化した法廷。その中心に立つのは、神々しさと狂気を纏った存在――メルティナ・ローデン。
白銀の裁判衣と黒金の武道衣が融合し、背には無数の光の剣が浮遊している。
その姿はもはや「議長」ではなく、審判者にして処刑人。
「これが……最高裁判……」
フィオナが震える声で呟く。
「人の魔力を強制徴収して……ここまでの力を……」
「やべぇな……まるで神様気取りだ」
ライオネルが歯噛みしながら剣を構える。
「では――開廷するわ」
メルティナの指が動いた瞬間、光の剣が一斉に射出された。
「くるぞッ!」
カイが仲間の前に立ち、蒼紅の拳で迎え撃つ。
「《混血顕現――三重解放》!」
拳から放たれる光が、飛来する光剣を次々と砕く。
しかし砕け散った破片さえも再び剣となり、嵐のように押し寄せてくる。
「これじゃキリがない!」
ミラが矢を連射する。
「《疾風乱翔》ッ!」
竜巻のような風矢が剣をかき消し、仲間の頭上を守る。
「ならば私も!」
フィオナが杖を掲げ、声を張り上げる。
「《森羅裁断》!」
無数の光葉が宙を舞い、剣と衝突して閃光を散らした。
「ふん……悪あがきね」
メルティナは一歩踏み込み、黒金の拳を振り抜いた。
「《債獄審神》――裁きの鉄槌ッ!」
衝撃波が奔流となり、広間を丸ごと薙ぎ払う。
「うぉぉぉぉッ!」
ライオネルが咆哮し、大剣を構えて防壁を張る。
セレナが歌で力を重ね、オルドが戦鎚を床に叩き込んで衝撃を相殺する。
それでもなお、仲間たちは膝をつきかけた。
「これが……最高裁判の力……!」
ルカが低く呻き、カイの方を見た。
「カイ……ここからが本当の地獄だ。だが、お前なら――」
「分かってる!」
カイが拳を握り直し、血に濡れた顔で笑った。
「ここで折れるわけにはいかねぇ!」




