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第210話 債獄審神

 崩れかけた法廷に、まだ余裕を崩さぬ声が響いた。


「言ったでしょう……法の階層は無限だと」

 血に濡れながらも、メルティナの瞳は狂気と冷徹を宿していた。

「足掻きすら消え失せる圧倒的な力を見せてあげる。――最高裁判へ上告する!」


 その宣告と同時に、彼女は指を鳴らし、天を仰ぐ。


 瞬間――漆黒と黄金の魔法陣が天井を突き破るように広がり、法廷を覆い尽くした。

 悲鳴が響く。

 傍聴していた数千の民衆の身体から、光が無理やり引き剥がされていく。


「な、何だこれは!?」

「身体が……軽く……!?」

「魔力が、奪われて……!」


 人々が次々と膝をつく中、カイたちだけは奇跡のようにその影響を受けていなかった。


「やめろ、メルティナッ!」

 カイが叫ぶが、彼女の笑みは深まるばかり。


「これが《債魂変生》の進化形――」

 その声が轟き渡る。


「《債獄審神デットソウル・アドヴォケイト》!」


 強制的に徴収された膨大な魔力が、暴風のようにメルティナへと吸い込まれていく。

 次の瞬間、激しい衝撃波が爆ぜ、法廷の壁が一斉に崩れ落ちた。


 その中心に立つメルティナは、もはや人ならざる姿だった。

 白銀の裁判衣装と、黒と黄金に彩られた露出の多い武道家装束が融合し、神々しくも禍々しい衣へと変貌している。

 しなやかな四肢を包むのは黒黄金に輝くガントレットとソルレット。

 さらにその背後には、数十本もの光の剣が浮かび、宙に舞っていた。


 メルティナは両手を広げ、不気味に微笑む。


「さあ――最後の裁判を始めましょう」


 その声は、正義の宣告ではなく、破滅の鐘の音のように響き渡った。

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