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第206話 拳の裁き

 法廷の空気が変わった。

 書板を掲げていた議長ではない。

 今そこに立つのは――黒金の闘気を纏った女武道家、メルティナ・ローデン。


「さあ、始めましょうか」

 艶やかな声と共に、彼女は床を蹴った。


 次の瞬間――。


 轟音。

 黒金の残像が走り、カイの眼前に迫る。


「速ぇっ!?」

 ライオネルが叫ぶ間もなく、メルティナの拳が振り下ろされた。


 カイは咄嗟に腕で受け止める。

 だが拳が触れた瞬間、鎖のような重圧が骨を軋ませた。


「ぐっ……! なんて力だ……!」


「これはただの拳じゃない」

 メルティナが冷笑する。

「――《債魂変生デットソウル・リフォージ》で蓄積した“千の命”の力。

 あなたの拳が理想なら、私の拳は現実そのもの」


 黒金の蹴りが薙ぎ払われ、カイは壁際まで吹き飛ばされた。


「カイ!」

 フィオナが駆け寄ろうとするが、メルティナの残像が立ちはだかる。

「行かせると思う?」


 拳が閃き、フィオナの杖が弾かれる。


「なっ……!?」


「この闘気は魔力すら削ぐ。小細工は通じないわ」


「なら正面から叩くまでだ!」

 ライオネルが咆哮し、大剣を振り下ろす。


「《獅子咆哮斬ライオンズロア》ッ!」


 獅子の咆哮が法廷に轟いた。

 だが――メルティナは片腕で受け止め、軽く弾き飛ばした。


「ぐおっ……!」

 ライオネルの巨躯が宙を舞い、柱に激突する。


「……あぁ、やはり美しい」

 メルティナが微笑む。

「力こそ正義。数字が示す現実を、こうして拳に宿すのが私の“法廷”」


 黒金の闘気がさらに膨れ上がり、裁判所の床がひび割れる。


 カイは血を吐きながら立ち上がった。

 拳を握り、仲間の前に再び立ちはだかる。


「……理想を笑うな」

 蒼紅の光が拳に集まる。

「俺は……絶対に折れねぇ!」

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