第192話 刺客撃退戦
ルカの血が床に滴るのを見て、仲間たちの闘志が燃え上がった。
黒衣の刺客たちはまだ数で勝っていたが、その冷徹な隊列は徐々に乱れ始めている。
「行くぞ、みんな!」
カイの声が広間に響く。
ライオネルがすぐさま前へと飛び出した。
「任せろ! 俺が前に立つ!」
獅皇剣を振り抜くと、轟音と共に影の列が裂け飛んだ。
「《森羅裁断》ッ!」
フィオナの杖から緑の魔法陣が展開され、光の葉と根が敵を絡め取る。
毒呪符を放った影たちが次々と縛り上げられ、動きを封じられた。
「今だ!」
セレナが竪琴をかき鳴らす。
海の調べのような旋律が波紋となり、縛られた敵たちを次々と昏倒させていく。
「うおおっ!」
オルドの戦鎚が唸り、壁際に追い詰められた刺客をまとめて叩き潰す。
「潰れる音が心地いいな……!」
「こっちはアタシに任せな!」
ミラが翼を広げ、弓を引き絞る。
「《疾風乱翔》!」
矢が竜巻と化し、窓際に潜んでいた刺客たちを一掃した。
しかし、それでも数人の影がカイへ迫る。
「甘い!」
ルカが痛む肩を押さえながらも踏み込み、大鉈を振り下ろす。
「《鬼神爆裂斬》ッ!」
轟音と共に床が裂け、敵の隊列がまとめて吹き飛ぶ。
「……仕上げは俺だ!」
カイが前へ踏み出す。
蒼紅の光が拳に宿り、影たちの視線が一斉に集まる。
「《混血顕現――二重解放》!」
炎と水、風と雷の属性が拳に収束し、蒼紅の閃光となって炸裂する。
拳を叩き込まれた刺客たちは悲鳴を上げ、闇へと吹き飛ばされていった。
広間に残ったのは、息を切らす仲間たちと、気を失った刺客の山。
辛くも、彼らは撃退に成功した。
「ふぅ……なんとか、追い払ったか」
ライオネルが剣を肩に担ぎ、息を吐く。
「……敵は本気で潰しに来ている」
ルカが血を拭いながら言った。
「次はもっと厄介な手を使ってくるだろう」
「けど……今回は守れた」
カイが拳を握りしめる。
「仲間を、誰も死なせずに」




