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第191話 刺客との戦闘

 黒衣の刺客たちが一斉に飛びかかってきた。

 毒刃が月明かりに煌めき、呪符の光が壁に浮かぶ。

 宿の広間は、一瞬で戦場へと変わった。


「来やがったなッ!」

 ライオネルが前に出て、大剣を振り下ろす。

 獅皇剣レオナードブレードが唸り、床を割って影の一人を吹き飛ばした。


「数が多い……!」

 フィオナが杖を掲げ、《防御結界シールド》を展開する。

 緑の魔法陣が仲間を覆い、毒矢の雨を弾き返した。


「任せろっ!」

 ミラは笑い、風弓スカイダンサーを引き絞る。

「《疾風乱翔ストームダンス》ッ!」

 矢が竜巻となり、敵の隊列を切り裂いた。


「まだ来るか!」

 オルドが戦鎚を振り回し、轟音と共に床板を砕く。

「潰れろォッ!」

 《轟鉄戦鎚アースクラッシャー》の衝撃で影たちが次々吹き飛ぶ。


 だが敵は怯まない。

 影の司法官たちは冷徹に連携し、四方から一斉にカイへ迫った。


「カイ!」

 セレナが歌声を放ち、光の波紋で進軍を止める。

 しかし毒呪符がその旋律を打ち消し、数人が突破してきた。


「……くっ!」

 カイは拳に力を込める。

「《混血顕現》――!」


 蒼紅の光が身体を駆け巡るが、発動の瞬間――。


 背後から飛んできた刃が、彼の首筋を狙った。

「……ッ!」

 カイが振り返るよりも早く――。


 ルカの大鉈が、その刃を受け止めた。


「危なっ……!」

 カイの目が見開かれる。


「……言ったはずだ。油断するなと」

 ルカは冷たく言い放ち、そのまま刺客を斬り伏せた。


 だが次の瞬間、別の影がカイの背後から飛び出す。

「――しまっ!」


 ルカは考えるよりも早く、身を投げ出した。

 鋭い刃が彼女の肩を深々と抉り、赤い血が飛び散る。


「ルカ!」

 カイが叫ぶ。


 ルカは肩を押さえながらも、大鉈を振り回して敵を退けた。

「……かすり傷だ。心配するな」


 その声は不器用に落ち着いていたが、彼女の瞳は確かに――

 カイを守るという強い意志に燃えていた。


「……俺を庇ったのか」

「……あぁ」

 短い返答。だが、それだけで十分だった。


 カイの胸に熱がこみ上げる。

 再び仲間を失いたくない――その思いが力に変わっていく。


「……もう誰も、死なせない」

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