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第187話 情報収集と“紙の戦争”の始まり

 ローデン連邦の街路は、昼と夜とでまるで顔が違っていた。

 昼は商人たちが声を張り上げ、市場は活気に溢れる。

 だが夜になると、路地裏に灯る燭台の下で“金に飢えた者たち”が集まり、静かに札束と契約書が動く。


「ここが……裏銀行のひとつか」

 ライオネルが低く唸る。

 表通りからは見えない裏路地。だが確かに人々は列を作り、暗い帳簿の前で金を預けていた。


「えぇ。公認の銀行じゃ扱えない金――奴隷取引や裏市場の利益がここに流れ込む」

 エステルは冷ややかに説明する。

「そしてそれを資金源に、議会は票を買い、法を操る」


「……金の力で法を縛る、か」

 フィオナが眉をひそめた。


「でもさ、これどうやって壊すの?」

 ミラが首を傾げる。

「ドカーンってぶっ壊せば早いけど、それじゃ意味ないんでしょ?」


「そう。暴力で潰しても、すぐに別の裏銀行が立つだけ」

 エステルは首を振る。

「重要なのは“証拠”。この金の流れを公開して、市場そのものを揺るがすのよ」


「証拠……つまり紙か」

 オルドが腕を組む。

「鉄や炎じゃなく、紙切れ一枚が戦場になる……妙な話だ」


「でも……」

 カイが静かに口を開く。

「たとえ紙でも、それで人を救えるなら戦う価値がある」


 その言葉に、ルカが短く頷いた。

「……あぁ。連邦では剣よりも、紙の方が人を斬る」


「ふふっ、いいわね」

 エステルの口元に笑みが浮かぶ。

「なら、私が導いてあげる。“紙の戦争”へ――」


 彼女は懐から一枚の帳簿を取り出した。

 それは議会と裏銀行を繋ぐ証拠の欠片。


「まずは小さな市場操作からよ。連邦に波紋を広げるわ」

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