表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/247

第176話 翼人評議会の依頼

 翌朝、祝宴の余韻がまだ残る天空都市の大広間。

 翼人評議会の長老たちが勢揃いし、カイたちを迎えていた。

 昨夜まで強張っていた彼らの顔には、深い悔恨が刻まれていた。


「我らは掟に縋り、何も見ようとしなかった……」

 評議会長が頭を垂れた。

「その過ちがヴォルテクスを生み、都市を嵐に沈めかけた。救ってくれたお前たちに、どれだけ感謝しても足りぬ」


「……掟に縛られた結果があれだ」

 ライオネルが腕を組み、不機嫌そうに吐き捨てる。

「納得できねぇが、謝るだけじゃ済まされねぇぞ」


「……分かっている」

 長老の声は震えていた。

「だからこそ、お前たちに正式な依頼をしたい」


「依頼……?」

 フィオナが眉をひそめる。


「ヴォルテクスが最期に告げた言葉を覚えているか?」

 オルドが腕を組み、深く頷いた。

「“公国に行っても無駄だ。死にたくなければ連邦に行け”……確かにそう言っていたな」


「……あいつの言葉を信じるのか?」

 ミラが首を傾げる。

「空の暴君だよ? どう考えても罠っぽいじゃん」


「だが……一理ある」

 フィオナが冷静に口を開いた。

「今の私たちでは装備も支援も不足している。公国の排斥主義に飛び込めば、仲間が命を落とす可能性は高い。

 連邦は商業と技術の国。武具や補給を整えるなら、確かに最適な場所よ」


「それに……」

 セレナが竪琴を抱きしめる。

「ヴォルテクスは狂気に囚われていたけれど、最後の言葉だけは……どこか“仲間を思いやる者”の響きがあった」


 広間に沈黙が落ちた。

 やがてカイが拳を握り、皆を見回した。


「……俺は決めた。

 ヴォルテクスの過ちは繰り返さない。仲間を守るために、まずは力を整える。

 ――連邦に行こう」


 その言葉に、仲間たちが頷いた。

 ライオネルは「仕方ねぇな」と笑い、オルドは「酒と鍛冶が充実してるなら悪くねぇ」と鼻を鳴らす。

 ミラは「やっほー! 連邦って美味しいご飯あるかな?」と軽口を叩き、セレナは静かに微笑んだ。


 評議会長は深く頭を下げた。

「どうか、この空を救ってくれた勇者たちよ。次は、大地を歩む民たちに希望を……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ