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第174話 空の祝宴

 天空都市の広場に、翼人評議会と住民たちが集まってきた。

 先ほどまで掟を盾に人々を縛っていた長老たちでさえ、今は顔を伏せている。


「……これまでのこと、心から謝罪する」

 評議会の長が頭を下げた。

「掟に縋り、お前たちを疑い、嵐を招いた。私たちの過ちは、決して消えぬ……」


 その声に住民たちも次々と頭を垂れ、涙ながらに謝罪の言葉を紡いだ。


「……納得いかねぇな」

 ライオネルが腕を組み、唸った。

「こいつらの掟のせいで、どれだけ犠牲が出たと思ってんだ」


「その気持ちは分かるわ」

 フィオナが冷ややかに呟く。

「都市を救ったのは私たちだけど……その前に失った命は戻らない」


 オルドも深く息を吐き、戦鎚を肩に担ぐ。

「怒りを飲み込むのは骨が折れる……だが、今ここで憎しみに縋れば、あのヴォルテクスと同じ道を辿る」


 沈黙が広がった。

 重苦しい空気の中、誰も言葉を続けられずにいた。


 そんな時――。


「……疲れた!」


 カイが大声で叫び、拳を振り上げた。


「難しい話はいらない! まずは飯だ!」


 一瞬、場が凍りついた。

 だが次の瞬間、ミラが吹き出し、セレナがクスクスと笑い、ライオネルが腹を抱えて大笑いした。


「はははっ! そうだよな、弟分!」

「やっほー! やっぱカイって最高!」

「……まったく……あなたって人は」

 フィオナも呆れたように微笑んでしまう。


 住民たちの間にも笑みが広がり、翼人族の若者が「宴を!」と叫んだ。

 次々と料理が運ばれ、広場に音楽が鳴り響く。


 肉を焼く匂い、果実酒の香り、歌と笑い声。

 戦いの余韻はまだ残っている。だが、確かに都市には笑顔が戻っていた。


 杯を掲げたライオネルが叫ぶ。

「この勝利と、俺たちの未来に――乾杯だ!」


「乾杯――ッ!」

 都市全体が歓声に包まれた。

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