第170話 覚醒の戦士
天空都市の空を裂き、光と嵐がぶつかり合う。
紅・蒼・白・金に輝くカイの拳と、雷雲を纏うヴォルテクスの翼が正面から激突した。
「ぐおおおおッ!」
雷鳴が轟き、都市全体を震わせる。
「これで終わりにしてやるッ!
《雷翼覇衝》ッ!」
ヴォルテクスが雷光の翼を槍のごとく突き出す。
空を裂くその一撃は、都市を丸ごと貫くかのような威力だった。
「させるかッ!
《翼天翔衝》ッ!」
カイの拳が白翼の残像を纏い、真っ向からぶつかる。
光と雷が衝突し、爆裂が空を焦がした。
「くそっ、まだ止まらん……!」
ライオネルが叫ぶ。
「カイ、無茶しすぎるな!」
「大丈夫……今はみんなの力が俺にある!」
カイは笑みを浮かべ、次の構えに入った。
「次はこれだッ!
《蒼鱗潮掌》!」
魚鱗族を象徴する掌打が渦を生み、雷雲を押し流す。
「ならば俺も嵐を極める!
《嵐帝乱舞》!」
ヴォルテクスの周囲に新たな竜巻が生まれ、無数の風槍となって襲いかかる。
「まとめて砕けッ!
《焔魂獄砕》!」
炎を纏ったカイの回し蹴りが風槍を粉砕し、轟音が広場を震わせた。
「ぐぅぅ……!」
ヴォルテクスの体が揺らぐ。
「小僧が……ここまで嵐を……!」
「俺は一人じゃない! これはみんなの力だ!」
カイの声が雷鳴を貫き、住民たちの胸に響いた。
戦場の空気が変わり始めた。
絶望に沈んでいた翼人族の瞳に、初めて「希望」が宿る。
「カイ……!」
フィオナが呟き、杖を握る手に力を込めた。
「この光なら、勝てるかもしれない……!」
だがヴォルテクスもまだ倒れない。
その背後の雷雲が、狂気に呼応するように再び収束していった。
「ならば――本当の地獄を見せてやるッ!」
次なる大技を繰り出そうとする暴君。
そして拳を構え、全身でそれを受け止める覚醒の戦士。




