第169話 覚醒・三重解放
仲間の魔力と想いを背に、カイの全身が紅・蒼・白、そして金の光で包まれていく。
巨人の力、魚鱗の守り、翼人の空、そして仲間の絆――
それらが渦を巻き、一つの境地へと昇華していった。
「《覚醒・三重解放》ッ!」
咆哮と共に、カイの身体が新たな力を解き放つ。
その姿は人でもなく、ただ「仲間と共に戦う者」そのものだった。
「馬鹿な……! それが真の“三重解放”か……!」
ヴォルテクスの瞳に焦りが宿る。
「行くぞ……! これまで繋いだ命と共に!」
カイが踏み込み、雷嵐を切り裂く。
「《巨獣震脚》ッ!」
その踏み込みは砂漠の獅子を思わせ、大地を砕く脚撃が雷雲を揺るがす。
「《蒼鱗潮掌》ッ!!」
波濤の幻影が雷翼を押し流す、魚鱗族を象徴する掌打。
「《精霊森閃》ッッ!!」
光葉の残光を纏った拳が竜巻を裂く、精霊族を彷彿とさせる一撃。
「《翼天翔衝》ッ!!!」
白翼の残像が雷を貫く、翼人の空を象徴する突き。
「《焔魂獄砕》ッッッ!!!!!」
奴隷の鎖を断ち切った魔人族の記憶と共に、炎を纏った回し蹴りが雷鳴を粉砕する。
「こんなもの……嵐が呑み込むッ!」
ヴォルテクスが竜巻を放つ。
「なら……全部まとめて叩き潰す!」
カイが拳を交差させ、仲間と出会った全ての記憶を背に吠える。
「《連環覇天撃》!!!!!!!!!」
紅と蒼と白と金――四色の光が拳となり、竜巻を切り裂き、雷雲を粉砕した。
衝撃波が都市全体を震わせ、ヴォルテクスの体が大きく揺らいだ。
「ぐぅ……この力……仲間の力だというのか……!」
彼の絶叫が空に木霊する。
「そうだ……これが俺たちが繋いできた未来だ!」
カイの瞳が仲間の光を宿し、再び前へと踏み込んだ。




