第157話 空賊団との交戦
黒鉄の飛空艇から無数の影が舞い降りた。
刃を握る翼人の空賊、空を泳ぐ小型の飛竜、そして魔導砲を担ぐ異形の傭兵たち――。
都市の広場と空橋に次々と降下し、悲鳴が街を覆う。
「市民を守れ!」
カイが叫ぶや否や、ライオネルが前に飛び出した。
「任せろッ! 《獅子咆哮斬》!」
大剣が空を裂き、轟音と共に迫る空賊をまとめて叩き落とす。
獅子の咆哮のような衝撃波が走り、空橋が震えた。
「こっちも行くぞッ!」
オルドが戦鎚を振り上げ、大地を叩き砕く。
「《隕鉄流星》!」
衝撃が石畳を砕き、着地した空賊たちを跳ね飛ばす。
散った火花が戦場を照らす。
「風よ――矢に乗れ!」
ミラが空を舞い、短弓を番える。
「《疾風乱翔》!」
緑と白の矢が次々と空賊を射抜き、残像が竜巻を描き出した。
風に巻き込まれた敵兵が叫び声を上げながら空へ吹き飛んでいく。
「……癒しと守りは任せて」
セレナの竪琴が澄んだ旋律を奏でる。
淡い水の光が仲間を包み、竜巻に巻かれた翼人市民を安全に引き寄せた。
「光よ――《森羅裁断》!」
フィオナの杖から緑の魔法陣が迸り、無数の光葉が舞って敵の列を切り裂く。
「はあああッ!」
カイは紅と蒼の光を纏い、混血の力を解放した。
「《混血顕現》!」
巨人の腕が振るわれ、飛び込んできた飛竜を殴り飛ばす。
鱗が砕け、竜が絶叫と共に墜落した。
だが――空はなお黒雲に覆われていた。
飛空艇の群れは止まらず、次々と新たな空賊が降下してくる。
「数が多すぎる……!」
ライオネルが歯を食いしばる。
「このままじゃ都市ごと飲み込まれる……」
フィオナが険しい声を漏らした。
その時、空を震わせるような笑い声が響いた。
「ハァーッハッハッハ! もっと怯えろ! 空こそ我が王座だァ!」
雷光を纏った翼を広げ、仮面の男――空賊王ヴォルテクスが姿を現した。




